ほとんどの植物が育つには、主に、水、土、太陽の光の3つが必要です。
では、もしこの3つのどれか1つが足りないと、植物はどうなってしまうのでしょうか?
それを調べるために、実際に植物を育てる実験をしたところ、一つだけ予想外の結末が待っていました。
なんと、光のない条件で育った植物は全く育たなかったわけではなく、大きく育った後に枯れてしまったのです。どうやらその理由には、その植物の色が緑ではなく、黄色く育ったことも関係しているようです。
以下に、植物の育つ条件を調べるための実験方法と、結果、原因について分かりやすく紹介します。
植物が育つための3つの条件
植物は水を必要とします。水は、栄養を必要な部位に運んだり、温度や細胞の浸透圧を調節する役割があります。
土は、健康な体をつくるための栄養分や、成長するときに根を広げるための頑丈な空間を提供してくれます。
そして、植物は、「光合成」を行って自分の栄養を作るために太陽の光が必要です。
では、もし日光に当てなければ、水を与えなければ、良い土を与えなければ、植物は育つのでしょうか?
実験をして確かめてみましょう。
植物を育てる実験方法
実験では、4つの植物をいろいろな方法で育ててみることにします。
1つの植物は、日光、水、土など、必要なものがすべてそろっています。
そして、残りの3つは、植物に必要な日光、水、土のうちのどれか1つが欠けている状態です。
1つは日光がまったく当たらず、1つは水がなく、1つは土の代わりに砂に植えます。
さて、どうなると思いますか?
予想
・ほとんどの植物は、健康であるために日光と水と良い土が必要なので、それらがすべて揃った植物が一番大きくなると思う。
・暗いところにある植物は、少しは成長するかもしれないが、それほど大きくはならないだろう。なぜなら、栄養を作るために必要な日光が不足しているから。
・水のない植物は全く成長しないだろう。
・砂に植えた植物は、日光から自分の栄養を作ることができるので、ある程度は成長できるだろう。
さて、何が起こるか予想がついたところで、実験の準備に入ります。
用意するもの
下に穴を開けることができる容器、ここではプラスチックのカップを使います。
土、水、砂、種、小さな段ボール、はさみも必要です。
どの容器にも同じ種類の種を使うようにしましょう。
実験をしながら、植物の背の高さや色など、気づいたことを観察して書き留めておきましょう。
また、植物を写真に撮って記録しておくのもおすすめです。カメラがなければ、見たままを絵に描いてもいいでしょう。
この実験には、たくさんの時間が必要です。
植物を育てるには、数週間から1カ月かかるかもしれません。
実験の手順
まず、それぞれのカップに、植物に足りないものを書くか印をつけておきます。
さて、カップに印をつけたら、それぞれのカップの底に、水抜き用の小さな穴を開けましょう。
次に、それぞれのカップをトレイの上に置いて、中身を入れます。
1つのカップには砂を入れ、他のカップはすべて土を入れます。
次に、それぞれのカップに種を植えましょう。種の上に少し土や砂をかぶせます。
それから、水をあげてはいけないカップ以外のカップに水をあげます。
水は、土が濡れる程度にして、あげすぎないようにしましょう。
窓際にトレイを置きます。そして、日光を当ててはいけないカップの上に、小さなダンボール紙を置きます。このとき、横から光が入ると実験が成立しなくなるので、カップは透明ではないもので行ってください。
種を植えてから数週間、植物の世話をしながら、どんなふうに育っているかを観察してみましょう。
土や砂が乾いていると感じたら、それは水をあげるサインです。ただし、水を与えてはいけないカップには間違えて水を与えないようにしましょう。
3週間後、予想と比べながら結果をみてみます。
結果
まず、日光、水、土全てがそろったカップの種は予想通りに一番大きく育っていました。
水を与えなかった種はまったく成長せず、これも予想通りでした。
土の代わりに砂に植えた種は少しだけ伸びたので、こちら一応は正解の類。
でも、日光が当たらなかった植物は、少ししか育たないと思っていたのに、実際にはたくさん育って、そして枯れてしまったのです。
そして、植物の色を見てみると、緑色ではなく、ごく薄い黄色になっていることがわかります。
このように、私の結果は思っていたものとは少し違っていましたが、それでもいいんです。それが実験なんですから。
実験とは、自分たちの考えを試して、何が起こるかを知るために行うものです。
なぜ光が当たらない植物が成長したのか?
私は、日光が当たらない植物がこれほど大きく成長することにとても驚きました。
植物は栄養を作るために日光が必要で、栄養がないのに種が大きく育つとは思えなかったからです。
そこで、なぜ植物がたくさん生えたのか、なぜ黄色いのかを知りたくなり、調べた結果、以下のことを学びました。
暗いところに置くと、植物は、成長に必要な栄養をつくるために、光に到達しようと一生懸命成長します。
もし、植物が十分な高さに成長すれば、光を遮るものを乗り越えて、栄養を作り始めることができるかもしれないからです。
しかし、実験で暗いところで育てられた植物は、いくら成長しても光に届くことはありません。
植物が緑ではなく黄色だったのも、暗い環境が原因です。
植物が緑色なのは、植物の中にクロロフィルという緑色の化学物質があり、それが太陽光からエネルギーをつくるのを助けるからです。
でも、クロロフィルは使える光がないと消えてしまうのです。
つまり、クロロフィルがないために、植物は薄黄色になったのです。
結果は予想と違っていましたが、私たちはこの実験からたくさんのことを学びました。
植物を育てる実験から考えたこと
植物が生きていくためには、日光と水、そして良い土が必要だということがわかりました。
新しく条件を変えてこの実験をもう一度行い、植物がどのように成長するかを調べると、さらに多くのことを学べるのではないでしょうか。
たとえば、すべての植物に日光を当てる一方で、それぞれの植物に与える水の量を変えてみる。
また、1つの植物に塩水や砂糖水を与えてみるのもよいでしょう。
健康な植物を育てる方法については、条件を変えたさまざまな栽培方法で学ぶことができます。
ぜひあなたも、植物を育てる実験を行ってみてください。
参照元:
・What Happened to Our Plants?
・Build a Tiny Plant World!