通常、航空機が一定の速度と一定の高度で飛行している場合、上からと下から同じ量の力が機体を押しています(ニュートンの法則)。
つまり、飛行機にかかるすべての力の合計(正味の力)はゼロになります。
では、飛行機が大気密度の高い領域、たとえば大きな雲の領域に入るとどうなると思いますか?
空気の粒がたくさんあるので、それだけ飛行機を押し上げる力が増加します。
つまり、揚力が増加します。
この大気密度と飛行機の揚力(機体を押し上げようと上向きに働く力)の関係をもとに、以下に、飛行機の翼がぐらぐら揺れる理由についてみていきましょう。
「空気の量」と「揚力」の関係
大気密度(同じ体積あたりで考えた大気中の空気分子の量)は、飛行機が受ける力に直接影響を与えます。
飛行機が飛ぶために利用できる空気の粒が多いということは、空気抵抗が高くなり、翼に十分な揚力が得られるというわけです。
その結果、飛行機は上向きにの力によって押し上げられ、その過程で翼が一時的に曲がります。
では、次に、飛行機が低密度の領域に入った場合はどうなるのでしょうか?
つまり、雲から出てくると上向きの力を生む空気の量が少なくなるので、揚力が減少し、その結果、上向きに曲がった翼が元に戻ります。
この揚力の急激な変化が、飛行機の翼がグラグラと揺れる原因です。