なぜ巨大な飛行機は離陸できて、しかも落ちないのか?

2018年4月 5日

巨大な飛行機が離陸する姿や音は、まさに圧巻そのものです。

その光景を見て「これほどまでに巨大で重たい飛行機が、一体どのようにして離陸し、空中にとどまっているのか」と不思議に思った経験がある人は多いのではないでしょうか。

ライト兄弟が、世界で初めて「空飛ぶマシーン」を発明したのが1903年。それ以来、人類は長い年月をかけて、飛行技術を発展させていきました。

そして、今や100万ポンド(約45万キロ)を超える巨大な飛行機が、空中で落ちることなく1万キロもの距離を飛べる時代となりました。

それでは、なぜ、これほどまでに巨大な飛行機が離陸し、落ちないで空を飛び続けることができるのでしょうか?以下に、その仕組みについて分かりやすく紹介します。

飛行機と鳥は飛ぶ原理が同じ

豊かな胸筋をもつ、自然界で最も大きな鳥の重量は、35ポンド(約15キロ)だといわれています。

対して、人間が作り出した大型旅客機のなかには、重さが100万ポンド(約45万キロ)を超えるものもあります。

しかし、実のところ、鳥も飛行機も大きさには違いはあれど、空を飛ぶ原理は同じなのです。

基本的に、「飛ぶ」とは、重力との闘いです。そして、この闘いにおいて、味方となってくれるのが「空気」。

鳥も飛行機も、自らの周りにある空気を巧みに操作して、重力に対抗しているのです。

なぜ、鳥や飛行機は空を飛べるのか?

鳥は、羽ばたくときに、翼の下に高い空気圧の領域を、そして、翼の上側には低い空気圧の領域を生み出します。

これは、飛行機が離陸するときと同じで、翼の上側と下側に異なる空気圧の領域ができることによって、飛行機を持ち上げるための上向きの力(揚力)が生み出されるという仕組みです。

そして、この浮かび上がる力が、下向きに引っ張る重力に勝ったときに、はじめて飛行機は離陸できます。

離陸の仕組み

もちろん、巨大な飛行機になるほど、空を飛ぶには、より大きな上向きの力が必要となるわけですが、飛行機は、ある2つのコンビネーションによって、この目的を成し遂げています。

一つ目は、スピード

飛行機は、離陸時に、翼周辺に空気流をつくり出すために、時速約240kmから290kmのスピードで滑走しなければなりません。そのためにあるのが滑走路です。

二つ目は、翼が受ける気流の角度

飛行機が離陸するときに、機体を地面と平行ではなく、先端側から上向きに傾けているのを見たことがあるかもしれませんが、この機体の角度は、まさに翼の下により多くの空気を送るためにあります。

そして、この角度によって生まれた翼の上下における空気圧の差が大きくなるほど、離陸時の力添えが増します。

次に、離陸を無事終えた飛行機が、空中にとどまっている理由について考えてみましょう。

飛行機が落ちないのはなぜか?

飛行機が、空を飛ぶのは、もちろん魔法の力などではなく、エンジンの力によるものです。

エンジンは、飛行機を前方に推進させて、翼の周囲を急速に動く空気の流れを安定させています。

これについては、ゴム風船の結び目をほどいたときをイメージすると分かりやすいかもしれません。

風船の空気が後方に向けて、結び口から勢いよく押し出されると、(エンジンが吸い込んだ空気を圧縮して後方に押し出すのと同じ要領で)前方への推進力が生まれます。

飛行機の場合は、エンジンが、燃料を使って、後方へ高圧のガスを常に勢いよく噴出することで、翼に、空気による揚力を安定して発生させています。

つまり、エンジンと翼が相互に協力して、空気圧の差を生むことで、重力に対抗しながら巨大な機体を支えて飛行しているのです。

しかし、上昇していくにつれて、空気は薄くなってしまうので、空中で安定して飛び続けるには、より速いスピードが求められます。

上空での飛行機

実際に、旅客機では、打ち上げられたときのスピードが時速275キロくらいであれば、地上の10倍も空気が薄いといわれる高度12キロ付近を飛行するときには、時速885キロにまで達しています。

その一方で、より薄い空気は飛行機への抵抗が低いことを意味するため、エンジンはより少ない燃料で高速なスピードを保つことができるようになります。

これが、パイロットにとって、上空の高度約10キロから12キロまでが、「速く、かつ、燃料を最小限に抑えて飛行できるスイートスポット」だといわれる理由です。

最後に

今日のアメリカでは、日々250万人以上の人が、飛行機を利用して、空に飛び立っています。

最先端の巨大な飛行機が空に飛び立つ姿をみると、飛行技術の進歩にただ驚かされるばかりですが、実のところ、その目を見張るような技術には、何千年もの間、鳥が大空を飛んできたのと同じ原理が活用されていることが分かります。

これをもとに、これからさらに飛行機の機体やエンジンが進化して、どのような姿になっていくのかを考えてみるのも楽しそうですね。