もし太陽が燃えるのをやめたらどうなるのか?

太陽がなくなったらどうなる?宇宙・航空科学

もし太陽が燃えるのをやめてしまったら、私たちやこの地球はどうなってしまうのでしょうか?

地球から光は消え、一年後にはマイナス101度の氷の惑星となるでしょう。

実のところ、太陽には酸素はほとんどなく、正しくは「燃えている」わけではありません。

太陽の中心では、水素原子がぶつかりあって互いにくっつき、ヘリウム原子と呼ばれる全く別ものになる「核融合反応(かくゆうごうはんのう)」によって巨大なエネルギーを放っているのです。

つまり、酸素で燃えるではなく、水素を燃料にした核融合という違った仕組みでエネルギーを出しています。

私たちの地球には、そのエネルギーの一部が光や熱として届いているというわけです。

では、もし、太陽がこのエネルギーを放出しなくなったら、地球はどうなり、あなたにはどんなできごとが起きるのでしょうか?

以下に見ていきましょう。

光がなくなる

もし太陽が燃えなくなったら、まるで巨大な照明のスイッチを切ったように地球は真っ暗で、何も見えません。

実際には、光の速さである時速約10億8000万kmでは、太陽からの光は約8分半弱で地球に到達しています。

つまり、もし太陽の光が突然消えたら、地球が暗くなるのは8分半後です。

そうなると人々はいつ寝るか、起きるかわからなくなり、誰もが混乱するでしょう。

美しい朝日に別れを告げる時がやってきたのです。

月は見えなくなる

月は、太陽から光を得ているため、もう輝くことはできず、それこそ真っ暗です。

空を見上げると、遠くの星はいくつか見えますが、もう太陽も月も消えています。

地球はすぐに冷え始める

太陽の光が消えてから1週間ほどで地球の平均気温は0度まで下がり、1年後には、マイナス101度にまで下がるでしょう。

やがて地球は氷の惑星となり、川や湖、海は表面で凍りつきます。

過去には、太陽の活動が低下したことから、地球に到達する熱エネルギーが減った時期が実際に何度か起こっています。

たとえば、「夏のない年」といわれた1816年。

この年は、それが火山の噴火と重なったため、北半球では火山灰が太陽光を遮り、夏が来ないなど数年間は厳しい気候異常が続きました。

6月に何度も大雪が降り、湖は1年中氷に覆われたまま、農作物は育たず、木々は枯れました。

つまり、太陽がなければ、ほとんどの植物は光合成ができずに急速に絶滅してしまうのです。

植物が枯れると、草食動物が絶滅し、それに肉食動物が続きます。

寒冷で荒々しい天候になる

地球の極(きょく:北極と南極)が冷やされて大気の密度が高くなるにつれて、気圧は下がり、地球では赤道に向かって強い風が吹き始めるため、気流は乱れ始めます。

大気中の水蒸気は凝縮されて、世界のあらゆる地域で雪が降り、猛吹雪にも見舞われるでしょう。

人々の生活はどうなるのか?

実のところ、太陽の表面温度は、5800ケルビン(約6000度)という驚異的な温度で、ダイヤモンドやグラフェンなど、あらゆる物質を溶かしたり蒸発させたりするのに十分な熱さです。

しかし、地球は太陽から1億5,000万キロも離れたところにあるため、熱が届くまでに温度はもっと低くなっています。

つまり、地球と太陽の距離は、生命を維持するための理想的な温度を作り出すのに十分な距離にあるのです。

そんな太陽の光が届かなくなった地球で、あなたはどうやって生き残ろうとしますか?

地中に潜り、地下深くで生活するのもよいかもしれません。

地殻変動プレートの境界から離れた場所では、世界のほとんどの地域で、地熱は深さ1kmあたり25℃高くなります。

つまり、地下1マイル(1.6km)に居住空間を作ることができれば、24度くらいの快適な温度で暮らすことができるかもしれないのです。

参照元:
How Long Would We Have to Live if the Sun Went Out?
What if Sun Stopped Burning?