太陽にダイブ!内部構造はどうなっているのか?

太陽の中を見てみよう宇宙・航空科学

太陽については、研究がすすむにつれて、下記のような内部の構造や太陽が加熱する仕組み、温度などさまざまなことが分かってきました。

もし太陽に探査機を送ることができ、すべての層で起こっているさまざまなプロセスを見ることができたら、どんな世界が広がっていると思いますか。

たしかに、太陽の中心部に探査機を送るのは、ちょっと問題があります。

おそらく近づくだけで一瞬にして高熱によって蒸発してしまうでしょう。

しかし、探査機を太陽にダイブさせなくても、衛星から得られたエネルギー(熱や光)活動や磁気活動についてのたくさんのデータから分かることはたくさんあります。

太陽はプラズマの塊

太陽の特徴といえば、まず、その大きさと、温度や生み出されるエネルギーが極端に高いこと。

太陽系に存在する物質の99%は太陽にあり、そのほとんどがプラズマと呼ばれる電気を帯びたガスとなっています。

プラズマとは、原子から電子が剥ぎ取られた超高温の気体

太陽表面の最も冷たい場所でも、人類がこれまでに発見、創造、予測したあらゆる化合物を溶かすのに十分な温度です。

そして、太陽はとても大きく、もし中が空洞であれば、地球を100万個弱詰め込むことができるといわれています。

しかし、実際には太陽は空洞ではありません。

プラズマはすべて層状に組織化されています。

まず光と熱を生み出すコア(中心部)があります。

核融合が起こる太陽の核(中心)

最も高温である中心部の温度は、おそらく1,500万ケルビン(約1600万度)まで上がると思われます。

太陽の質量(重さ)は地球の33万倍と大きいため、中心部の圧力は地表の約2500億倍で、鉛の11倍の密度があります。

質量が大きいほど、圧力は強くなる

太陽の中心部では、この高温高密度(高圧)の状態によって、小さな原子(水素の原子核)がぶつかりあって大きな原子(ヘリウムの原子核)に結合し、核融合と呼ばれるプロセスを経て、大量のエネルギーが放出されるのです。

太陽はこの反応で発生するエネルギーによって輝いています。

太陽の中心から放出されたエネルギー(光と熱)の行方

太陽は毎秒4億2,000万ワットの電力を作り出しています。

これは全人類が1年間に使うエネルギーの75万倍に相当。繰り返しますが、それを毎秒発生しているのです。

光として放出されたエネルギーは、中心から外側に向けて飛び去ります。

実は、太陽は4光年ほどの大きさしかないので、中が空っぽであれば、光子が太陽を横切るのに4秒程度しかかからないはずです。

しかし、中心核から出た光はまっすぐに飛び出すわけではなく、ランダムな方向に表面に到達するまでには、約20万年はかかると考えられています。科学者の中には、数百万年から1千万年もかかるという人もいるようです。

(中心核から表面まで)4秒でいけるはずが20万年もかかるの?

たしかに太陽の表面から地球まで(1億5000万km)、光の速度でおよそ8分といわれているので、その200分の1(中心から表面まで)を20万年はかかりすぎですね。

それには、理由があります。

太陽の中心部は非常に密度が高いからです。

太陽の中心から飛び出した光は、高密度に存在する原子に邪魔されてまっすぐではなく、ランダムな方向にしか進めません。原子に当たるたびに進路変更をしながらとてつもない年月をかけて進むのです。

光が1つの原子にぶつかるまでには、約100分の1ナノ秒(ナノは10億分の1)しか進むことはできません。

光が原子に当たると、その原子はエネルギーを吸収して、その一部をさらに光として放出します。

光は吸収される前に、さらに100分の1ナノ秒の間、別の方向にランダムに飛んでいき、またそのプロセスが繰り返されるのです。

この繰り返しは、あまり効率的な方法ではありませんが、最終的に光は中心部の端に到達します。

その間に、それぞれの原子が吸収したエネルギーによって、少しずつ熱くなっていきます。

放射層

中心部から出た光は、核を囲む放射層に入ります。放射層は、太陽の半径の3分の1あたりから始まり、半径の3分の2あたりまで続きます。

そこでは、核から放射された光が原子にぶつかり、端に向かってエネルギーを伝達し続けています。

実は、太陽の核融合のうち、放射層で起こるものは1%程度にすぎません。放射層の温度、圧力、密度がすべて低すぎるからです。

放射層の端に到達する頃には、プラズマの温度はコアの中心にいたときの10分の1、密度も100分の1になっています。

対流層

太陽の残りの大部分は、対流層で占められています。

対流層では、光が直接原子にエネルギーを伝えて熱を作るのではなく、ただ通り過ぎていくだけ。原子は対流というプロセスで互いに熱を伝えています。

これは、やかんの湯が熱で対流するのと同じで、高温のプラズマは上昇し、低温のプラズマは下降しています。

対流層の外側にある光球面と呼ばれる層に到達するまで、対流層の温度は下がり続けます。

光球面

光球面とは、特殊な望遠鏡で太陽を見たときに見える(可視光)層で、一般的に「太陽の表面」を意味します。

光球面の温度は約5,700ケルビンで、核の1,500万ケルビンに比べればかなり温度は低くなっています

彩層面、コロナ

光球面のすぐ外側には、彩層面コロナと呼ばれる、数百万から数千万ケルビンにもなる霧状の層があります。

太陽は、光球面までは、中心から外側にいくにつれて温度が下がってきました。しかし、なぜか、彩層面で急激に温度が上がり、コロナではさらに温度が高くなっていきます。

太陽最大のミステリー

実は、光球面から外側にいくにつれて、急激に数百倍も温度が高くなっていることについては、太陽最大のミステリーの一つとなっています。

熱力学的にも常識的にも、冷たいものが温かいものを温めるということはありえないからです。

太陽の磁場が物質を波打つように引きずって過熱しているという説や太陽の表面で起こる爆発(フレア)が加熱しているという説もありますが、まだはっきりとは分かっていません。

参照元:Diving Into the Sun!