月についての大きな4つの誤解

月についての4つの誤解宇宙・航空科学

人類が夜空を見上げて以来、月の地球に対する力についてはさまざまな説がはびこり、私たちの想像力をかきたててきました。

なかには「運河がある」、「エイリアンがいる」説など今となっては誰も信じていないような説もあれば、いまだに多くの人が誤解している説もたくさんあります。

今回は、月について一般的に信じられていることで、実は大きな誤解を生じている話ついて紹介します。

潮の満ち引きは月の引力のおかげ

地球で起こる海の満ち引きは、月の引力に引かれて海水が引っ張られることが大きな原因であることは間違いありません。

しかし、それが全てではないのです。

月の引力の大きさの違い(潮汐力:tidal force)は、質量距離の2つの影響を受けます。

月の質量は地球の質量の80分の1で、地球と月の間には、地球の直径の約30個分の距離(月と地球の引力のバランスが取れる距離)があり、お互いに引っ張り合いながら回転しています。地球の赤道付近の自転速度は、時速1600 kmにもなります。

月の引力によって海面が盛り上がるのは、地球が月に面した側の海水(地球と月という2つの天体が、近い距離にある)だけに起こる話です。
月に面していない地球の反対側では、月までの距離が遠くなるので、引力の影響は弱く、主に地球の回転による(月とは反対の方向に働く)「慣性力」によって海水が集まって満潮になるのです。

ちなみに、太陽からの潮汐力も働いていますが、その効果は小さく、月の半分程度と考えられています。

満ち引きの最も大きい「大潮」は、この太陽と月の位置が重なり、同じ方向から引っ張られるために起こる現象です。

よく満月になると、病院の出産率が上がるという話を聞きますが、月の周期と人間の生態や行動の相関関係は研究によって明確には証明されていません(wikipedia参照)。

月は地球に近い

月は近いように見えて、実際には遠いのです。

月の軌道は、地球から約385,000km あります。

それは、最大速度約1000kmの大型ジェット旅客機(ボーイング747)で17日間かかる距離です。

月の裏側は真っ暗な世界

月の裏側はいつも暗いわけではありません。

月の満ち欠けは地球側と同じです。

つまり、地球側の新月は、反対側では満月なのです。

ちなみに、地球から見ると月は半分(50%)しか見えないといわれますが、実際には、月が地球の周りを約1カ月かけて公転する間に、月の表面の約59%を観測できるといわれています。

これは、月の地球に対する視覚的な傾きが少しずつ変化する「月の傾き」によって、月の東側や西側の縁のどちらか一方の面積がわずかに多く地球にさらされることがあるためです。

太陽は黄色、月は白

太陽は、地球の大気の影響で黄色に見えます。

大気は、光を散乱させます。

空が青く見えたり、夕日がオレンジや赤に見えたりするのはこのためです。

月は真っ白に見えますが、実際にはアスファルトのような灰色をしています。

暗い空では月がとても明るく見えるため、目には白く見えるのです。

また、月の表側には「海(平原)」がありますが、裏側はでこぼこのクレーターだらけで海はほとんどありません。

参照元:5 myths about the sun and the moon

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