仮に地球が、2つの月を持っていたら。それは悲劇としか言いようがありません。
海の水は、2つの月に激しく引っ張られるため、ニューヨークやシンガポールなどの主要都市は波で一掃され、数百万年後には、月同士の衝突による破片が地球に降り注ぎ、地球上の生命体は恐竜と同じ末路をたどるかもしれないのです。
さらにこれは始まりにすぎず、その他にも、恐ろしい大惨事が引き起こされる可能性があります。
ここでは、地球に月が2つあったら、私たちの地球やそこに住む生命体はどうなるのかについて驚くべき結末を紹介します。
もし地球に月が2つあったら
2つ目の月が、仮に地球の重力に捕らわれて、現在の月と地球の間の軌道上を周回するようになった場合、双子の月の重力が増して、より大きな潮汐(ちょうせき、月と太陽の引力による潮の満ち引き)が生まれます。
月が2つあったら、主要な海岸線は浸水する
ご存知の通り、現実の世界では、地球の軌道を周っている月が、潮の満ち引きを助けています。
しかし、今ある月と地球の間に、2番目の月が入り込んでしまった場合、2つの月に海水が引っ張られてしまい、潮汐のピークには、海面の上昇が今より6倍も高くなります。
すると、波が海岸線に襲いかかり、ニューヨーク、シンガポール、ロンドンを含む世界の大都市の多くを浸水させます。
第二の月が及ぼす破壊的な影響は、地球だけではありません。
第二の月で活発な火山活動が起こる
第二の月は、地球と元の月の引力に引っ張られ、両者の綱引きに巻き込まれていきます。
すると、場所によって月が受ける引力の大きさに差が生じ、一部が膨らんだり、ゆがんだりして変形します。
月の変形は、内部に熱を生み、それが火山の熱源となり、何百もの火山から赤熱した溶岩の川を氾濫させます。
それはまさに、太陽系で最も活発な火山活動がある天体として知られる木星の衛生「イオ」のようです。
しかし、第二の月による影響は、まだ終わりではありません。
地球の自転を遅らせる
今現在、地球の月は、年に3.8センチの速さで地球から遠ざかっています。
これは、あなたの爪が伸びる速さです。
同時に、月は地球を引っ張り、地球の自転を遅らせています。これは、実際には約40,000年ごとに約1秒ずつ日が長くなることを意味します。
数字だけを見ると大したことではないように感じますが、2つの月があれば、このプロセスはさらに加速します。
今から数百万年後には、一日の長さは16%増加し、28時間よりも長くなっているでしょう。
一日の中で、少し余分な時間が増えるのはいいことかもしれませんが、問題は、片方の月が現在の月に向かって漂流してしまうことです。
2つの月が衝突する
数百万年後には、2つの月は衝突し、その巨大な衝撃によって、月の中心部が引き裂かれてしまうでしょう。
月の中心部からは溶岩が噴出し、鮮やかな赤色の光が地球の空を覆います。
そうなると衝突による月の破片はあらゆる方向に散らばり、必然的にそのうちのいくつかは地球を襲い、地上に何キロにも及ぶ巨大なクレーターを形成します。
それは、地球上のあらゆる生命体に、かつての恐竜たちと同じ末路をたどらせる可能性があります。
地球に当たらなかった月の破片においては、地球の重力に捕らえられて、赤道の周りに土星のリングに似た月の破片のリングを形成することになります。
しかし、そのリングは、そう長くは存在しません。
ほんの数年のうちに、それらの破片は現在の衛生(月)のような1つの大きな塊を形成しています。
生き残った生命体は、それを月と呼ぶかもしれませんし、もっと違った呼び方をするのかもしれませんね。
近い将来、中国の四川省は、街灯を人工的な月明かりに置き換えることで、必要な電気エネルギーを削減しようと計画しています。
夜空を見上げると、そこには人工の月が。そんな非現実的にもみえるプロジェクトが今まさに実現しようとしているのです。
人工月の光は、軌道上に打ち上げられた衛星の鏡で太陽光を反射して作られ、その輝きは満月の何倍にも相当するであろうと予想されます。