地球の水は一体どこからきたの?

2016年11月29日

太陽系にある地球と他の惑星の決定的な違いは、水の存在です。地球は、表面の約70パーセントが水で覆われています。

水は、生物が生きていくにはなくてはならないものですが、実は、地球の成り立ちを考えると表面は乾燥しているはずで、水が液体の状態で存在しているのはとても不思議な現象です。

ここでは、地球にどのようにして水が生まれ、他の惑星と違う運命をたどるようになったのかについて考えられる説を分かりやすく紹介します。

どうやら地球を青く色づけた水は、 全く予期せぬものから生まれたものだったようです。

地球の成り立ち

地球という惑星が存在する太陽系は、今から46億年前に、太陽が誕生したことによって始まりました。

太陽は、銀河の片隅で、宇宙空間にあるガスや塵(ちり)が集まってどんどん重たくなり、その中心部分がぎゅっと圧縮されて温度が上昇し、発火したことにより形成されました。できたばかりの太陽は、若く、不安定で、強烈な熱風「太陽風」を放つ恒星でした。

時とともに、太陽の周りには無数の微惑星(小さな天体)や岩が形成され、それらが衝突を繰り返して惑星が誕生します。

地球には本来、水は存在しないはず

ここで問題です。太陽系の中では、水の材料は、どの惑星にもあったといわれますが、実際には、初期の太陽系の内部は、あまりにも温度が高すぎたため、水や氷、水蒸気も全て、強烈な太陽風によって吹き飛んでしまったはずです。

それではもし、地球ができたときに水がなかったのなら、今ある海洋はどこからきたのでしょうか。どうして、地球上には、水が液体としてこれほどまでに大量に存在するのでしょうか?

地球上の水(H2O)が、イオンからできたものではないことはすでに知られています。

燃焼、呼吸、光合成といった自然過程において生産される水の割合は、消費されるものとほぼ同じで、余剰分はほとんど生まれません。どちらにしろ、地球上にありあまる量の水を、地球自らが作り出してきたと説明するにはほど遠いものです。

地球の水は、最初からあったものでも、後に地球で生産されたものでもないとすれば、果たしてどのように生まれたのでしょう。

地球にぶつかった彗星から水が生まれた?

彗星とは、氷や塵からできた(氷が残存できる)小さな天体です。

一説には、太陽系の外側の小さな天体が、流星体、または、彗星に乗って、地球に飛んできた時に、水の源を運んできたのではないかといわれました。

しかし、彗星の水は、地球の水よりも重水素(核に陽子と中性子両方を持つ水素)に富んでいることが分かり、その可能性はなくなりました。

水素原子の比率が、地球と彗星のものでは不釣り合いであることは、科学的に考えて、地球の水が彗星からきたというのはありえないことを示しています。

隕石の衝突によって水が生まれた

地球の水の源は、炭素質コンドライドと呼ばれる流星体の一種であろうと言われるようになりました。

「コンドライド」とは、地球にぶつかった石質隕石につけられた一般的な名前です。

炭素質コンドライドには、水が含まれています。水が含まれているのは、太陽系にある凍結線の外側で形づくられたからです。凍結線を境に、その外側では、宇宙空間に存在する水が氷になります。

そして、炭素質コンドライドの水に含まれる重水素の割合は、地球と同じものなのです。これは、地球上の海洋や雲、川の源であることを強く示しています。

どうして他の惑星には水が液体の状態では存在しないの?

地球以外の惑星にも、炭素質コンドライドの隕石が衝突した時に水が生まれるのではないかという疑問が浮かびます。

例えば、火星には、かつて水が存在していた痕跡があるといわれますが、太陽からの距離が地球よりも遠く、現在は星が冷えて、気温がマイナス60度であるため、もし水があったとしてもすぐに氷結してしまい、液体の状態では存在できません。

月は、太陽からの距離が地球と同じですが、小さくて重力が地球の1/6であるため、水や大気の分子を地表にとどめておくことはできません。

また、地球の約4000万キロ内側を回る金星は、地球とほぼ同じ大きさですが、太陽からの距離が近く、灼熱の惑星であるため、水はすぐに蒸発してしまい、存在することができません。

このように、地球を青く色づけた水は、全く予期せぬことから生まれたものであり、さらに、地球が奇跡的にも水を液体の状態で保持できているのは、水分子をとどめられる引力をもつ大きさで、かつ、太陽との絶妙な距離間であるからです。