地球上で使える水はわずか0.01%って知っていますか?

限りある資源「水」を救う手段はあるか自然科学・地球科学

地球上のほとんどの水は、海や氷、地中深くに閉じ込められているので私たちが使える水は限りある資源です。

今回は、地球にある水の0.01%にも満たないといわれる使える水について、ほとんど知られていない現実を紹介します。

水を無駄にしすぎると、世界の水が完全になくなってしまうのではないかと心配になったことはありませんか。

そう思うのも無理はありません。

トイレでトイレットペーパーを使いすぎると、すぐに紙がなくなってしまうように、時々、何かを無駄にしたり、必要以上に使ったりすると、それがなくなってしまうことがあります。

実のところ、地球から完全に水がなくなることはありません。

しかし、海水は使えないので実際に資源として私たちが使える水には限りがあり、適切に管理しなければ世界は将来的な水不足問題を避けられくなるでしょう。

私たちは水を飲むためだけに使っているわけではありません。

水で洗濯をし、水で掃除をし、水を使って衣服から食料まであらゆるものを生産しています。家畜の飼料やバイオ燃料を含む作物の生産も、淡水の供給に大きな負担をかけています。

つまり、私たちが海外から食料や衣料を輸入することは、目には見えませんが、水を輸入しているのと同じことを意味するのです。

地球の水のほとんどは利用できない水

地球にはたくさんの水があります。

宇宙から撮影した地球の写真を見たことはありますか?

地球が青く見えるのは、そのほとんど、約70%が海で覆われているからです。そして、海には水がたくさんあります。

実際に、地球上のほとんどの水が海にあるのです。

地球上の水分はほとんどが海水

一つの円グラフが地球上のすべての水を表しているとしたら、97.5%が海水

しかし、海にたくさんの水があっても、それは私たちが飲める水でも作物を育てられる水でもありません。

なぜなら、海水にはたくさんの塩分が含まれているからです。

海に住んでいる動物は塩水を飲むことができますし、海洋植物は塩水を使って成長することができます。

海の動植物にとっては、塩水が最適かもしれませんが、陸上に住む動植物の多くは塩水を利用できません。

例えば、人間が海水を飲むと、病気になってしまいますよね。

ペットや家畜も海の水は飲めません。

また、海の水は庭の植物にも使えません。

なぜ海の水を飲むことができないのか?

海の水は、蛇口や水飲み場から出てくる水とは全く違い、塩辛くて飲めません。

私たちが、健康を維持するためにはたくさんの水分が必要ですが、塩分の摂りすぎはかえって悪影響となります。

あなたの体には、体内の塩分と水分を適切なバランスに保つために働く器官があることを知っていますか?

なかでも重要な部位は、左右の腰の部分にある2つの腎臓

腎臓の主な仕事は尿を作ることで、体内に塩分が多すぎると、血液中の塩分濃度を一定に保つために、腎臓は塩分の一部を尿に移動させて、余分な塩分を尿で排出するのです。塩分の量が増えると、それだけ多くの塩分を体外に排出するために尿の量は増えます。

しかし、腎臓が尿中に入れる塩分量には限界があるため、体内の塩分濃度が高すぎるとうまく排出できなくなってしまいます。

それなら、「海水に含まれる塩分を除去して飲めるようにすればいいのに」と思うかもしれません。

確かに海水の塩分を除去する方法はありますが、それには難しい技術が必要となります。

実際に、世界の一部では、海水を真水に変えて利用している地域はありますが、その設備の運営や資源の管理に時間と費用がかかりすぎてしまうため限られています

私たちが使える水は地球上の限られた淡水のみ

そのため、淡水と呼ばれる水を使う必要があります。淡水には塩分があまり含まれていません。

しかし、ここで問題があります。

円グラフをもう一度見てみると、地球上の水のうち淡水はわずか2.5%しかありません。

これは決して多くはなく、しかも、地球の淡水のほとんどは使うことができないのです。

その理由を知るために、もう一度宇宙から地球を見てみましょう。

淡水のほとんどは氷に閉じ込められている

地球の淡水のほとんどは氷に閉じ込められている

地球上の淡水のほとんどは、氷の状態で、北極と南極にあります。氷河や氷山といった類のものです。

凍った水を利用するには、氷にたどり着き、溶かして、必要な場所に運ばなければなりません。

それはあまりにも大変なことなので、この淡水を使うのは難しいのです。

残りの淡水は地中にあります。私たちはその一部にアクセスすることができますが、そのほとんどは地中深くにあるので、利用することはできません。

つまり、凍っていたり、使えない場所にあったりする淡水を除くと、人が使える地球上の水は、川や湖沼など雨によってもたらされた淡水という非常に限られたものになります。

そこで、水を無駄にしないということが重要になってきます。

水を節約する有効な方法

地球上の真水がなくなることはありません。

歯磨きや手洗いに使っても、最終的には水道処理施設という特別な建物できれいにして、また他の人が使えるようになります。

しかし、その水の浄化プロセスには時間や手間がかかるので、私たちは、誰もが毎日使えるきれいな淡水を確保するために、自分の役割を果たす必要があります。

身近なことで、簡単にできることでいえば、使い終わったら蛇口を最後まで閉めておくことです。

ほんの少しの水漏れでも、無駄な水がたくさん出てしまいます。

また、歯を磨くときやヒゲを剃るときにその都度蛇口を閉めたり、シャワーの時間を短くしたりするのも効果的です。

身近なところでよくあるのがトイレの水漏れです。トイレのタンクに食品用の着色液を少し垂らしてみてください。水を流さずに便器内に着色料が見え始めたら、水漏れによって水を無駄にしている可能性があります。

食品の栽培、加工、輸送には大量の水が必要です。食品のロスを減らすことも水の節約につながります

一人ひとりが必要なだけの水を使うだけで、1日に約30リットルの水を節約することができます。これは、大きな牛乳パック30本分に相当します。

身だしなみを整えるとき以外にも、節水のためにできることはたくさんあります。

水は大切な資源

地球の水をきれいに保つために、外では川や山などにゴミを捨てないで、必ずゴミ箱に捨てましょう。

そして、地球の水についてもっと学び、知ることができれば、私たちは誰もが清潔で新鮮な水を手に入れることができるようになるでしょう。

干ばつになると、人々は飲むための新鮮な水が不足し始めますが、それは通常、雨が十分に降らなかったためです。

英国環境庁によると、このまま何もしなければ、イギリスの人々は2050年までに水不足に直面するそうです。

節水や効率化は負担になることはありません。水の使用量を減らすために今日からできる簡単な方法を身近なところから探してみましょう。

参照元:How to Save Water