蜃気楼って何?なぜ砂漠に水が見えるのか?

自然科学・地球科学

蜃気楼とは、砂漠のような地上にあたかも水があるように見えるといった錯覚です。

蜃気楼は、大気に温度差のある層が生まれたとき、温度差の境界線で光が曲がることによって引き起こされます。
以下に、光が温度の境目でどのように曲がり、脳に錯覚を引き起こすのかをみていきましょう。

砂漠に見える水の正体は「空の反射」

太陽が降り注ぐ暑い日、陸地は、地面に近い空気の層を温めます。

しかし、上空に行くにつれて、空気の層は相対的に冷たくなります。

すると、地表に近い高温の空気層は、密度の小さい領域を形成し、冷たい上層は、より密度の高い領域を形成します。

さて、

空からやってくる光が冷気層から暖気層へと移動するとき、光はこの温度の変化する境界で(密度が小さい方から大きい方に向けて)曲がります(屈折)。

光は、臨界角を超えるまで、数キロ以上にわたってどんどん連続的に曲がっていくのです。

そして、入ってくる光が反射される一定の角度を超えてしまうと、全ての光が反射され(全反射)、

光の屈折と蜃気楼

この反射光が私たちの目に届くと、私たちの目はそれを直線方向に見ます。

砂漠に水の蜃気楼が見える理由

その結果、青空の反射が地上(直線方向)に現れるというわけです。

私たちの脳は、砂漠に反射した青空を見て、水があると考え、蜃気楼を引き起こすのです。

蜃気楼は、砂漠に水を見せるだけでなく、温度が上空の方が暖かくなる現象を引き起こした湖や海の上、熱せられた道路の上など、大気の温度差があるところで光が曲がって引き起こされます。

光の屈折は、身近なところでも見られます。

虹ができるのも、星が夜空でキラキラとまたたくのも、水に入れた鉛筆が曲がってみえるのも、光の屈折によるものです。

参照元:What is a mirage?