夏至は、太陽に対する地球の傾きが最大になる時で、厳密に言えば、それは正午に太陽が北回帰線の真上にやってくるほんの一瞬です。
一年で最も日照時間が長い日ですが、それは、最も暑い日や日の出が早い日ではありません。夏はまだ始まったばかりですが、これから冬至に向けて日は短くなっていきます。
実は、夏至の時、太陽は地球から近い位置ではなく、一番遠い地点にあります。
さっそく以下に、他の惑星にもある夏至についてくわしくみていきましょう。
夏至とは
至点という言葉はラテン語で太陽が昇ること「sol (太陽) + stit (立つ)」を意味します。
至点は年に2回、北半球と南半球の両方で1回ずつ起こります。
北半球では、6月の至点を夏至、12月の至点を冬至と呼びます(南半球はその逆)。
太陽が最も北(南半球)、または南(北半球)の地点に昇り、その後、赤道を起点に向きが反転する時点を示します。
夏至は、太陽が空の最も高い地点に現れ、日照時間が一番長い日です。
夏至が起こる理由
夏至は、北緯23.5度に位置する北回帰線(メキシコやエジプト、サウジアラビア、インドなどを通る)に太陽が直接重なるときに起こります。
この日は、北回帰線より北のすべての場所で、太陽は空で最も高い位置にあり、1年で一番「昼が長く、夜が短く」なるのです。
すべては太陽が、赤道上(天の赤道)で最北地点に到達する時期によって決まり、それは一般的に6月20日から22日の間となるのです。
この頃、北極圏の北の地域は、太陽が一日中沈まないことから、真夜中の太陽の国と呼ばれています。
これは、地球の自転軸(地軸)が傾いているために起こります。地球の自転軸は、太陽の周りの軌道面に対して約23.5度の角度で傾いています。
地球に季節が生まれるのはこの傾きのためです。
夏は、太陽に向かって傾いている半球で起こり、冬は太陽から離れて傾いている半球に起こります。
伝統的に、夏至は夏の真ん中と見なされ、「真夏」と呼ばれますが、天文学的には、「夏の始まり」を示します。
これは、軌道上で、北極が太陽に対して最大に傾いている地点に到達したときに起こります。
夏至が最も暑い日ではない理由
夏至の日、北半球は、直射日光の角度と日の長さにより、年間のどの日よりも太陽から多くのエネルギーを受け取ります。
ただし、この日が最も暑い日であるという意味ではありません。
地球の大気、陸地、海洋は、太陽からのエネルギーの一部を吸収して蓄え、さまざまな速度で熱として放出します。
その結果、緯度やその他の要因にもよりますが、暑い日は通常、7月から8月に発生するのです。
夏至は日の出が最も早い日ではない
しかし、よくある誤解は、「夏至の時、地球は太陽に近い位置にある」というものです。実際には、北半球は「遠日点」と呼ばれる太陽から最も遠い位置にあります。
夏至は一年で日照時間が長い日に起こりますが、これは、日の出が一年で最も早い日を意味するわけではありません。
日の出が最も早い日は、夏至より数日早く訪れ、日没が最も遅い日は数日後にやってきます。
これもまた、地球の軌道と傾きの結果です。
さらに夏至は、日照時間が長いだけでなく、夜明けと夕暮れの時間帯も長くなります。
これは、太陽がより浅い角度で昇り、沈むため、昇ったり沈んだりするのに時間がかかりるためです。
夏至は、多くの文化で重要な時期であったため、イギリスのストーンヘンジをはじめ、太陽の位置に基づいた古代記念碑が世界中に存在します。
太陽系の惑星にみられる夏至
最後に、夏至は地球特有のものではなく、軌道と軸の傾きに関連しています。
太陽系の他の惑星にも夏至があります。
火星の至点は地球の6月の数日後に起こりますが、火星が太陽の周りを公転するのに地球のほぼ2倍の時間がかかることから、およそ23か月間隔で発生します。
実際、2016年には火星と地球の至点が数日差で重なりました。
天王星では、夏至は84年に1回発生します。
天王星の自転軸が軌道面とほぼ一致しているためです。各極は21年間連続して太陽に面しています。それはとても長い真夜中の太陽なのです。