糸電話はなぜ聞こえるのか?不思議な音の仕組みとは

2021年7月19日

数メートル、数十メートル、数百メートルも先にいる友人に、大声を出さずに話しかける方法があります。

しかもそれは自分で簡単に作ることができる道具を使います。

「糸電話」です。

糸電話って不思議だと思いませんか?

細い糸によって声が届くなんて、一体どんな仕組みになっているのでしょうか?

そこで今回は、音の仕組みを知り、実際に糸電話を作って音の伝わり方を確かめる方法を分かりやすく紹介します。

音の仕組み

ピアノの音も、鳥の鳴き声も、私の話し声も、すべての音は振動でできています。

振動とは、何かが前後に動くことで生じるものです。

物が振動して音を出すときは、たいていとても小さくて、とても速く動いています。

目には見えませんが、あなたはそれを感じることができるでしょう。

手を喉に当てて、自分の名前を言ってみてください。首のあたりがブルブルっとふるえているのを感じますか?

それは振動であり、あなたの声の響きの始まりなのです。

喉では何が振動しているのでしょうか?

喉の中にある声帯と呼ばれる2つの小さなものです。

また、ギターを弾くときにも、音の始まりを感じたり、見たりすることができます。

ギターの弦を弾くと、弦がとても速く動いているのがわかりますか?これが音の始まりです。

音の始まりと振動の伝わり方

さて、声帯やギターの弦が動くと、それらは空気を動かします。

空気はとても小さな粒子で構成されています。そして、その粒子が空気中の振動を運ぶことで、音は粒子から粒子へと伝わるのです。

例えば、ギターの弦が動くと、弦の周りの空気中の粒子も動き始めます。

動き始めた粒子は、他の粒子とぶつかって、今度はその粒子を動かします。このようにして、粒子が振動を空気中に伝え、それが耳に当たることで、あなたは音楽を聴くことができるのです。

しかし、問題は、その振動がすぐに消えてしまうことです。

振動が無くなると音は聞こえなくなる

音が生まれたところでは、激しくぶつかり合っていた粒子も、しばらく空気中を移動しているうちに動きがにぶくなっていき、そのうちに全く振動しなくなります。

その振動が耳に届く前に止まると、何も聞こえなくなってしまうのです。

このように、振動は空気を動かして音を出すことがわかっています。

それでは、ここで問題です。振動は、空気以外の物も動かすことができると思いますか?

実際に、糸電話を作って、空気以外の物で音を伝えることができるかを試してみましょう。

糸電話の作り方と材料

用意するものは、紙コップかプラスチックコップ2個、テープ1本、シャープペンシルかハサミ、3mから9mの長さのひも。

まず、ハサミかシャープペンシルでコップの底に穴を開けます。

ひもをそれぞれの穴に通して、カップの中で端を結びます。ひもの端が出てこないように、内側の端をテープで貼っておいてもよいでしょう。

次に、カップの1つを友達に渡し、1つを自分で持ち、ひもが2つのカップの間で一直線にピンと張るまで、お互いにゆっくりと歩きながら離れます。

糸電話で話をしてみましょう

さて、あなたが自分のカップに向かって話している間、友人にカップを耳に当てるように伝えてください。

お友達はあなたの声をカップの中から聞くことができますか?

今度は、カップを自分の耳に当ててみて、お友達に話してもらいましょう。

お友達の声が聞こえますか?

カップとひもは、私たちの耳が音を聞くのを助けるのでしょうか?

実際にテストをしてみましょう。

カップを使わずに同じ声の大きさで友達と話してみると、相手に聞こえますか?

距離がそれほどなければ聞こえますが、聞こえはあまりよくありません。

これはどういうことでしょうか?

糸電話のひもは耳が音を聞くのをどのように助けるのか?

糸電話を使うと、まず、あなたの声でコップの中の空気の粒子が振動し始めます。

その振動が、コップの底を振動させ、ひもを同じように動かします。

そして、その振動した糸が、もうひとつのコップの底を動かします。

すると、そのカップの中の空気中の粒子が、あなたの友人の耳に届くのです。

糸電話のひもは距離が離れても、空気のように音の振動を弱めることなく強く伝えることができます。

糸をピンと張ることが大切

では、もうひとつ実験をしてみましょう。

お友達に少し近づいて、ピンと張った糸をゆるめてください。

カップの間に糸がぶら下がった状態で、お友達の声が聞こえますか?

次に、カップの間の糸を指でつまんでみてください。

一体どうしたのでしょうか?音が全く聞こえなくなりました。

糸が緩んでいると、音を伝える糸の振動は弱くなり、糸を途中でつまむと振動は止まります

つまり、音が伝わらないのです。

それを確かめるために、お友達にもう一度遠くに移動してもらって、糸をしっかりと張ってもらいましょう。

そして、指で糸を弾いてみてください。

糸が前後に動いているのがわかりますか?

今度は、糸が緩むところに立って、もう一度、糸を弾いてみてください。

糸は少し動きますが、振動し続けているわけではありません。

糸が動くためには、しっかりと張っていないと、振動が伝わらないのです。

いろいろな糸電話で実験してみよう

今までに、遠くの人の声が聞き取りにくいと感じたり、は全く聞こえなくなってしまったりしたことがあるのには、音を伝えるための空気の振動が十分でなかったことが分かりました。

ぜひ、今回の糸でんわの実験でいろいろなことを試してみてください。

紐を少しずつ長くしていくと、どれくらいの距離で音が消えてしまうのでしょうか?

糸を繋げる人の人数を増やしても音は伝わるのでしょうか?

糸を太い毛糸にしたり、針金、ビニールや麻の紐と種類を変えたり、コップの材質を変えたりすると何が起こるのでしょうか?

このように自分の疑問に思ったことや気付いたことをどんどん試してみてください。

きっと楽しい発見がありますよ。