時空って何?分かりやすく教えて!

時空とは宇宙・航空科学

よく「ブラックホールは時空をゆがませる」と耳にしますが、そもそも時空とは何なのでしょうか?

時空とは、縦、横、高さの3方向からなる広がり(3次元)に、時間を加えた四次元空間のこと

では、なぜ物理学の世界では、時間と空間を一緒に考えるのかというと、時間と空間は切っても切れない関係で、いつも一緒に伸びたり縮んだりすると考えられているからです。

さらに、時空のゆがみを極端に簡単にいうと、

トランポリンにボーリングの球(質量のあるもの)を置いたときにできるくぼみのようなもので、

そこに置いたビー玉がくぼみに引っ張られるようにひっついていく光景(重力が発生)に似ています。

ここでは、時空とは正確には何なのか、時間と空間はどのように関係しているのかをできる限り分かりやすく紹介します。

時間は不変の存在ではない

私たちは時間をどのように知覚し、経験するのでしょうか?

日常生活において、私たちは時間を他のものから独立して進行する不変の存在として認識しています。

ニューヨークにいても、ムンバイにいても、時間は同じペースで、同じ方向、つまり前方に向かって進んでいきます。

事実、古典物理学では時間は、このような不変の原理として定義されていますが、残念ながらこれにはいくつかの限界があり、この原理では説明できない現象がたくさんあります。

そこで登場するのが量子力学です。

「時間」と「空間」切っても切れない関係

有名な物理学者であるアルベルト・アインシュタインとマックス・プランクは、この量子力学のパイオニアとみなされています。

アインシュタインは1905年に、以下の理論を示しました。

光の速度はすべての観測者の運動とは無関係である。
空間と時間はひとつの連続体としてつながっている。

この理論は、特殊相対性理論として知られ、現在では現代物理学や量子物理学の基礎となって広く普及しています。

時空とは

そして、アインシュタインが提唱した、空間と時間が密接につながった単一の連続体という考え方こそ、人々が「時空」と呼ぶものです。

この理論によれば、古い物理学の原理で独立した存在とみなされてきた時間は、絶対不変ではなく、空間とともに伸びたり縮んだり、歪んだりします。

時間と空間はつながっており、「時空」というひとつの連続体の一部だからです。

よく知られている例としては、仮にあなたがとてつもなく速く動く場合、光速に近づくほど時間の流れが遅くなるというものがあります。

光速で移動している人がいれば、地球で過ごしている人よりも年を取るのが遅くなります。

時間の進み方は個々で別々(相対的)

アインシュタインはまた、相対的に運動している観測者同士は、同時現象のタイミングについて意見が一致しないという仮説を立てました。

簡単に言えば、ある観測者が2つの事象が同時に起こったことを観測したと言った場合、最初の観測者と相対運動している別の観測者は、それらの事象は異なる時刻に起こったと反論するのです。

そして、時間と空間が切っても切れない関係であることについての考えを世に問うた後、彼は巨大な物体が時空の構造にどのような影響を与えるかを研究するため、時空間に重力を取り入れた理論の研究を続けました。

あなたも時空をゆがめ、引力を発生させている

そうして、特殊相対性理論(止まっている観測者から見ると、光速で動いている人の時間は止まっているという原理)の10年後となる1915年に、「質量(エネルギー)によって時間と空間はゆがめられ、それが重力の正体である」とする一般相対性理論を発表。

昔から、重力はアイザック・ニュートンの運動の3法則に沿って定義されてきました。

それは、2つの物体の間には、その大小にかかわらず引力が存在するというもの。

あなたは今、地球の中心に引っ張られていて、それによって宙に浮かないようになっています。

ここまでは、おそらくあなたのイメージ通りでしょう。

しかし、一般相対性理論によれば、すべての物体は時空の連続体の中に存在し、その周りの時空をゆがめているのです。

このゆがみによって他の物体が引き寄せられ、引力が発生します。

つまり、あなたも時空をゆがめており、そこには引力が発生しているのです。

時空をトランポリンでイメージしよう

時空を学ぼう

時空をきつく引き伸ばされたトランポリンに見立てて考えてみよう。

中央に大きな物体を置くと、トランポリンを押し下げて、表面にくぼみができます。

ここでトランポリンの上でビー玉を転がすと、ビー玉はトランポリンのくぼみに引っ張られるように、くぼみに向かって内側にらせんを描きます。

これは時空の概念を視覚化するとても有名な方法です。

時空とは何か

ただし、単純化しすぎた例えであり、重力や一般相対性理論の全体像を示すものではないことを覚えておいてください。

時空の歪みによって引き起こされる魅力的な現象

空間の光が、ブラックホールのような巨大な物体の周りで曲げられると、その物体はあたかもレンズのような働きをします。

これは「重力レンズ」と呼ばれ、たとえば、宇宙でレンズ天体となった巨大な物体が、そのはるか後方からやってきた光を曲げて、その映像を大きく歪ませてしまいます。

それは結果的に、レンズとして働く物体の何百万キロも後方にある物体を見るのに役立ちます。

地球でさえ、その自転によって時空に歪みを生じさせ、その近傍にある自然物や人工物に影響を与えているのです。

つまり、あらゆるものが時空の歪みを引き起こし、これらの歪みは、私たちが住んでいる驚くべき宇宙についての理解を深めるのに大いに役立っています。

時空については、以下の動画で見ることができます。

What Exactly is Spacetime? Explained in Ridiculously Simple Words
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