植物の知られざる闘い「化学物質」

植物の武器キッズサイエンス

植物のなかには、捕食者から身を守るために化学物質という特殊な武器を進化させた種がいます。

ここでは、トゲや汁、毒などの植物化学物質で動物に対抗する術を身に着けた植物について紹介します。

ある日、鹿が植物をかじったとたん、なぜか食べずにそのまま逃げていきました。

よく見ると、シカがかじった葉っぱの周りには、白くてベトベトしたものがついています。

葉っぱを何枚か持ち帰って、図鑑で調べた結果、その植物はハナミズキの木であることがわかりました。

ハナミズキの葉には、特殊な粘着性のある乳液がたくさん含まれていて、これを身を守るための武器として使うようです。

ハナミズキの他にも、以下のように武器を工夫して身を守っている植物はたくさん存在します。

植物が動物から身を守るための武器

動物は捕食者から逃げようとすることができますが、植物は動くことができないため、別の方法で身を守る必要があります。

ハナミズキの乳液がそれにあたり、シカのような草食動物がハナミズキの葉をかじると、口に広がるネバネバした乳液を不快に感じ、食べるのを嫌がるのです。

茎や葉っぱにある鋭いトゲや毛で、捕食者に食べられないように身を守る植物もいます。

化学物質で動物に対抗する植物

ハナミズキの乳液のように、動物が嫌う特別な化学物質を持つ植物もたくさんあります。

イラクサという植物においては、トゲに特殊なオイルがついていて、触ると鋭い痛みを感じ、かゆさに苦しむこともあるようです。

水芭蕉は、動物を近寄らせないために臭いにおいの化学物質を出します。

ツタウルシは、イラクサと同じように茎や葉の中に濃厚で粘着性のある液体を作り、触った動物をかぶれさせます。

実は、ツタウルシの英語名は「Poison Ivy」、「毒」という言葉が含まれていますが、実際には毒ではありません。

ほとんどの人がそのオイルにアレルギー反応を起こしてしまうのです。

ですから、3枚で1組になった葉を見たら、触らない方がよいでしょう。もし、触ってしまったら、できるだけ早く湯と石鹸で洗ってくださいね。

毒で身を守る植物

でも、中には、植物が臭くても、不味くても気にしない動物もいるようです。

そのため、ある種の植物は、そういった動物も含めてどんな動物も寄せ付けない、とても効果的な武器を進化させました。

それは、毒を持つことです。

もし動物が毒性のある草を食べたら、体調が悪くなったり、中毒を起こしたりしてしまいます。

多くの動物は、毒のある植物を食べないし、仲間がその植物で病気になるのを見たら、その植物を食べなくなります。

植物と動物の果てしない攻防

植物にはたくさんの素晴らしい防御力がありますが、トゲやいおい、汁、毒など、どの武器を使っても、それを食べる方法を見つける動物が必ず現れてしまいます。

たとえば、ヤギはトゲのある植物を食べることができるし、毒草を食べることができるシカもいます。

このように、動物が植物の防御策をクリアすると、植物はまた新たに身を守る方法を作り出して対抗するなど、その攻防は長い年月をかけて続き、それぞれの進化に影響を与えてきたのです。

私たちの周りでも、渋柿やタケノコのえぐみなど、植物の生き残りをかけた武器を身近な生活の中で見ることができます。

これからは、植物がどのように身を守っているか、植物の視点で考えてみると新しい発見がありそうですね。

参照元: Plants with Weapons

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