プーリー(滑車)の仕組みと役割について、重たいものを手で運ぶよりも楽に移動させる方法を例に紹介します。私たちの周りでもあらゆるところでプーリーは利用されているんですよ。
さて、本が詰まった箱を高い所まで運ばなければならないときあなたならどうしますか?
「持ち上げられるけど階段の上まで運べるとは思えないし、ハシゴで運ぶのも嫌だ」という場面です。
そんなときは、手で持ち運ぶとは他の方法を考えないといえません。
そこで役立つのが「滑車」。
さっそく滑車がどのように私たちの生活で役立てられているのか、その例と仕組みについてみていきましょう。
重たい荷物を上に移動させる方法
たとえば、階段の上に板を敷き、荷台に荷物を乗せて引き上げるのも一つのアイデアです。
私たちはこのように重いものを運ぶ問題を、単純な仕組みの道具や機械を使って解決することができます。
岩をどかすときには、レバーを使って石をテコの原理を利用すると持ち上げることができます。
他にも、小さな力で大きな動力を生む便利な道具といえば、木を切る斧(おの)、くぎを引き抜くバール、ネジを締め付けるドライバーなどがあります。
これらは、傾斜やてこの原理などを利用して、仕事をしやすくしてくれるものです。
滑車を使ったプーリーとは
ロープやチェーンを使った滑車による仕事を、英語ではPulley(プーリー)と呼びます。
クレーンの吊り上げもプーリーのひとつ。
それでは、このプリ―を使って、重たい箱を二階まで持ち上げてみましょう。
物を持ち上げる滑車
持ち上げるものを「荷物」といいます。
滑車のロープを荷物に結び付けて、反対の端からロープを引っ張ると荷物が上がる仕組みです。
滑車には、ひもやロープと、車輪の2つの部品があります。
滑車の車輪は特別なデザインで、溝がぐるりと一周しています。その溝にロープをはめこむのです。
重たい箱を腕で頭上まで持ち上げようとすると、それはとても大変な作業ですが、箱を滑車に取り付けて、ロープを引っ張ればもっと楽に持ち上げることができるわけです。
滑車で持ち上げる仕組み
滑車にかけたロープの端を持って下に引くと ロープが車輪を回し、重たい箱が上に向けて動き出して移動します。
いかがですか?重い箱を階段で運ぶよりずっと簡単ですね。
もちろん滑車は、それ以外にもかなり大きな仕事をするのにも役に立ちます。
さて、あなたの周りでこのプリ―を利用した例を思い浮かべてみてください。
滑車の仕組みを利用した身の周りのもの
高層ビルを建てるときに使うクレーンや、高層ビルの階を行き来するエレベーター、スキー場のリフトなども滑車のおかげで動いています。
昔の井戸や城門、跳ね上げ式の橋などもこの滑車の働きによるもの。
大きなものだけでなく、滑車は小さな仕事にも役立ちます。
家の窓のブラインドやカーテンを開けたり閉めたりするときにも、滑車が使われることがあります。
学校などで、国旗や後旗を掲揚(けいよう、高いところにかかげる)するときにも」滑車は使われているんですよ。
その仕組みは、ロープに旗をとめ、ロープを下に引っ張ると、滑車の車輪が回って、旗を空高く上げる。
工場のベルトコンベアやポンプ、発電機、車のエンジンなどでもさまざまなプーリーが活躍しています。