指や足を切ると痛いのに、髪を切られても全く痛みを感じないのはなぜでしょうか?
それは、痛みを感じる神経が髪の毛には存在しないからです。
もうひとつ、私たちの体には切っても痛くない場所があります。
爪です。
では、そもそも痛みを感じる神経とは何なのでしょうか?
以下に、「痛み」を感じる仕組みについて、神経や脳とのつながりとあわせて分かりやすく紹介します。
神経とは
神経とは、体のあちこちに網目のように張りめぐらされた糸状の器官です。
この神経は、体内のさまざまな部位のメッセージを伝えるという特別な働きをしています。
なかでも大きな働きは、あなたが周りの世界を感じるのを助ける仕事。
神経があるからこそ、あなたは見たり、聞いたり、匂いをかいだり、味わったり、そして、ものを感じたりできるのです。
神経の「感じる」働き
神経は、触覚の大部分を占めています。
たとえば、鼻を触ってみてください。
何かを触ると、それはあなたの皮膚と接触します。
体の他の部分と同じように、皮膚にも神経が通っています。
何かが皮膚に触れると、神経にスイッチが入り、活性化されるのです。
これらの神経は、さまざまなものを感じることができます。
ある神経は、暖かいか冷たいかを感じ、滑らかかざらざらしているかを見分けることができる神経もあります。
そして、痛みを感じる神経もあります。
神経から脳に情報が伝わってはじめて「感じる」
私が指で鼻を触ると、指の神経のいくつかにスイッチが入り、それぞれの神経が送ったメッセージが手や腕の神経の道を通り、背中にある大きな神経の束を通って、最終的に脳まで届きます。
すると、脳はそのメッセージを解読しはじめます。
脳は、以前にこのようなものに触ったことがあるかどうかをチェックし、目や耳などから得られる他の情報と組み合わせていきます。
この神経の情報ネットワークはすべて、ものすごく速いスピードで行われるため、自分が何に触れているのかをすぐに判断することができるのです。
このように、触ったものを「感じる」には手だけではなく、神経と脳が必要となります。
髪の毛は神経がないから「感じる」ことができない
しかし、髪の毛はどうでしょう?
さっそく試してみましょう。
まず、頭のてっぺんをなでてみてください。
指の皮膚と同じように、髪の下の皮膚にも神経が通っています。
だから、指は頭のてっぺんを感じることができるし、頭も指が触れているのを感じることができます。
では、髪の毛の一番端っこを、引っ張らずにぎゅっと握ってみてください。
指は髪の毛を感じることができますが、髪は指を感じることができませんね。
それは、髪の毛の中には神経がないからです。
そして、髪を引っ張ったり、大きく動かしたりしない限り、何も感じないはずです。
手足の先の爪も同じで、神経はありません。
神経がないということは、触覚がないということですから、痛みを感じる感覚がないのです。
さて、髪を切るときは、なぜ痛くないのかこれで解決しましたね。