日時計は人類最古の科学機器です。太陽の動きで変わる影を使って時間を知るための装置。
日光があれば、棒やストローのような細長いものを、地面に刺すだけでどこでも作れます。
今から5000年以上も前から、人々は時間を知るために、さまざまな日時計を作ってきましたが、そのほとんどは、平らな台と「グノモン」と呼ばれる棒(指針)を使ったものです。
太陽が輝いているとき、グノモンは影を落とします。
その影が落ちる場所を見れば、今が何時なのかがわかるのです。
さらに昔の人は、(太陽の動く道は季節によって変わるため)影の長さを季節を知る手がかりにしていたようです。
さっそく以下に、「日時計」の作り方や時間がわかる仕組みについて紹介します。
「日時計」の作り方
日時計をつくる場所を決めたら、棒やストローのような細長いものをその場所の緯度と同じ角度をつけて地面に刺します。
このとき、北半球に住んでいる人は、北に向けて棒を傾け、南半球に住んでいる人は、南に傾けます。
後は、朝7時から毎時間、日が沈むまで影が落ちているところに印をつけるだけ。
1時間ごとにアラームをセットしておくと忘れないでしょう。
グノモンの影を刻むには、石を置いたりチョークで数字を描いたりなど、好きなものを使ってください。
次の日、その影がどの数字や線の上に落ちているかを見ると、今が何時なのかを知ることができます。
日時計の仕組み
地球は、太陽のまわりを回りながら1日に1回、西から東へ自転しています。
つまり、太陽は、どの時間帯でも地球の半分を照らしていることになります。
そして、東から昇る太陽を見るということは、私たちの住む地域が、その太陽の当たる面の端にあるということです。そのとき、私たちの影は、西の方向に落としています。
日時計のグノモンも同じ原理です。
朝、グノモンは西に影を落としています。
そして、地球は24時間かけて1回転しているので、影はグノモンの周りを時計回り(時計の針と同じ方向)に、一時間約15度ずつ(360度 ÷ 24時間)移動するのです。
いろいろなもので日時計を作ろう!応用編
日時計を作るための土が周りにない場合は、砂や小石を入れたバケツにグノモンを刺してみましょう。
紙皿を使ってもできます。その場合、日時計のお皿を外に出しても、グノモンの向きさえあわせれば問題なく使えます。
もしちょっと変わったことに挑戦したいなら、人間日時計を作ってみましょう。
外に出て、毎時間同じ場所に立ち、自分の影が落ちる場所に友達に印を付けてもらえば、翌日から自分の影を見て、今が何時なのかを確認することができます。
友達と交代でグノモンになって計測してもよいでしょう。
ただ、たとえ日時計を作っている最中でも、決して太陽を直接見てはいけないということは覚えておいてください。
日時計の精度を保つためには、数ヶ月に一度、印を測り直すとよいでしょう。
実のところ、科学者が作る日時計のように、正確な日時計を作ることはできません。
完璧に正確な日時計を作るには、世界のどこにいるかによって、また時期によって、多くの計算を使って位置合わせをする必要があるからです。