今回は、特別な磁気、「電磁気力」について紹介します。
電磁気力というと、少し難しく聞こえるかもしれませんが、私たちの身近でたくさん見ることができる力です。
たとえば、物を動かしたり、触ったりできるのも、電磁気力のためです。
私たちの体や物質は無数の原子からできていて、中心にある原子核の周りを電子が回っています。
私たちが何かを触るとき、マイナスの電荷をもつ電子同士が反発していて、実際には手と物質の間にわずかな距離があるのです。
おもしろいですね。
それでは、以下に電磁気力の仕組みについてもっと見ていきましょう。
電力や磁力からなる電磁気力
「電磁気力」は、電力や磁力という2つの言葉からできています。
電荷と磁場の相互作用、または、それらに関連する力のことをいいます。
これは、この物理学の基本的な力「電磁気力」は、宇宙を支配する4つの力(他、重力、強い力、弱い力)の1つです。
電化製品を動かすときはもちろん、ものを触るときにも電磁気力が働いています。
電気と磁力は、ともに異なる性質をもち、
まず電気について説明しましょう。
+と-の電荷が存在することで生まれる「電気」
電気とは、物体の中で電荷が動くときに起こる物理現象です。
電荷にはプラス(+)とマイナス(-)があります。
誕生日パーティーで、風船がいくつも転がっているとします。
風船を手に取り、髪にこすりつけると……どうなるでしょうか?
まず、髪の毛は逆立ち、さらには、風船が壁にくっつくようになります。
これは、静電気と呼ばれるもののよい例です。風船を頭にこすりつける(摩擦)と、目には見えない小さな粒子が髪から風船に移動します。
これらの粒子は電子(-の電荷をもつ)と呼ばれ、こする動作によって、静電気が発生するのです。
このとき、電子の動きは一般に電気と呼ばれます。
この例では、電子が風船の表面に蓄積する様子(帯電)を見ましたが、電子が物質中を着実に流れることを電流と呼びます。
対になるN極とS極をもつ「磁力」
磁気(正しくは磁性)は、いくつかの物体が持つとても興味深い性質で、鉄などの他の金属物体を引き寄せることができます。
これらの物体は磁石と呼ばれ、ニッケルやコバルト、鉄などの天然のもの、またはU磁石や棒磁石などの人工のものがあり、すべてにおいてN極とS極の2つの磁極を持っています。
磁場とは、磁力が作用する空間、つまり磁石(磁性体)が金属を引き寄せることができる空間のことです。
電気も磁気もつながりがありますが、それはどうなっているのでしょうか?
電気と磁気のつながり
電荷が動くと磁場が発生します。
同様に、変化する磁場は電場を作り出すことができます。
それは、一方がリードし、もう一方がフォローする、終わりのないダンスのようなものです。
この電気と磁気の絶え間ない相互作用は、一般に電磁気学として知られています。
鉄の釘にワイヤーを巻きつけ、その両端をバッテリーにつなぐと、実質的に電磁石ができます。
ワイヤを流れる電流が磁場を作り出し、ただの鉄釘を磁石に変えるのです。
この原理は、モーターや発電機など、現代の多くの電化製品に使われています。
ビルに電気を供給する発電所には、電磁気の原理を利用して機械エネルギーを電気エネルギーに変換する巨大な発電機があります。
これらの発電機には磁石とワイヤーのコイルが使われているのです。
風車のようにタービンが回転すると、磁石が動き回り、コイルを通して電気の流れが発生します。
この電気は、送電線を通じて私たちの家庭に送られています。
身の周りにみられる電磁気力
私たちの日常生活には、電磁気の実用的な応用があふれています。
携帯端末で動画を見ることができるのは、電界と磁界が相互作用して発生する電磁波のおかげです。
簡単に言えば、電磁波とは、電界と磁界の形で空間を伝わるエネルギーのことで、電界と磁界は互いに、また波の伝播方向に対して垂直に振動します。
これらの波は光速で伝わります。
電磁波には、さまざまな波長と周波数があり、電磁スペクトルとして知られるものを形成しています。
このスペクトルには、電波、マイクロ波、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線が含まれる。
私たちが身の回りの世界を見ることができる可視光線も、このスペクトルの一部です。
電磁気の例は、WiFiルーター、電話、ノートパソコン、クレジットカードの帯、トースターのコイル、電子レンジ、寝室の照明など、私たちの身の回りにあふれています。
さて、みなさんは、今挙げたもの以外で、電磁気の日常生活の例を1分間で5つ挙げられますか?
ぜひ考えてみてください。
電磁波の仕組みについては以下の動画で見ることができます。