プルプルと不思議な食感をしたゼリーについて、固体か液体か、その作り方や顕微鏡で拡大してみたときの状態などをもとにゼリーの正体を探ってみましょう。
どうやらゼリーは、固体と液体の両方を兼ね添えた身近な「コロイド溶液」だといえそうです。
プルプル、ふにゃふにゃ。簡単に押しつぶせてしまう食感はなぜ、どうやって生まれるのでしょうか?
もし、ゼリーをザルみたいなもので押しつぶしたらどうなるのかな?
おもしろそうね!食べる前にちょっとした実験をしてみましょう。
ゼリーって何者?
そもそもゼリーって何者なのでしょうか?その正体を確かめるために簡単な実験をしてみましょう。
まず、ゼリー、スプーン、ザルを用意します。
パスタを茹でるときに使うザルは、穴がたくさん開いていて、水分が全部出ていくようになっていますね。
でも、ゼリーはこの穴から押し出すことができるかな?
ちょっと待って!そもそもゼリーは固体なの?液体なの?
いい質問ね。ゼリーを押してみると反発して弾力があるから固体みたいよね。
でもこのザルの穴から押し出すのも簡単だし、固体というより、ちょっと液体に近いかな。
しかもゼラチンはかなり水分が多いですね。
同じことを他の液体や固体で試してみるとどうでしょう?
パスタを作るときにザルを使うと、液体の水が穴を通り抜けることはすでに知っています。そして、より固形であるパスタは穴を通らずにザルにひっかかってしまいます。
どうやらゼリーはその液体と固体の中間にあるようです。
ゼリーを作って実験しよう
ゼリーを実際に作ってみたら、なぜそのような形をし、プルプルとした動きをするのかがわかるかもしれません。
まず、ゼリーの元になる粉ゼラチンを見てみましょう。よく見ると、ゼラチンの粉は、固い粒でできていますね。
この粉を熱湯と混ぜて、混ざり合うまでかき混ぜてみます。
混ぜたらどうなると思いますか?
砂糖と水を混ぜて 氷砂糖を作った時みたいに粉がなくなると思う?
さて、混ぜ始めると粉は消えそうだし、水はゼラチンの色と同じ赤色になってきました。
粉が溶けて、水と混ざっているのです。特にお湯は物を溶かすのが得意。熱を利用して、この変化を起こしているのです。
最終的に、粉はバラバラになって見えなくなります。
もう、粉も水もありません。粉は全部溶けて新しい混合物ができたのです。
水の色も、透明だったのが赤く変わり、目で見ることができます。
あとはこれを容器に流し込んで、冷蔵庫で4時間くらい冷やせば完成です。
ゼリーは固体と液体の両方を兼ね添えている
ゼリーを作るとき、まずは固体である粉から、その粉を水に溶かして、液体にしました。
それを冷蔵庫で冷やすと、ふにゃふにゃになります。
水は液体です。でも、冷凍庫に入れると凍って固形の氷になります。
では、ゼリーはどうでしょう? 固体なのでしょうか、液体なのでしょうか?
実は、ゼリーはその両方を兼ね備えているのです。
ゼリーは身近にあるコロイド溶液
粉ゼラチンをよく見ると、ゼラチンが固体であることがわかります。顕微鏡で拡大してみると、それはまるで小さな蜘蛛の巣が伸びたような形をしています。
しかし、その網は昆虫を捕らえる代わりに、小さな水の断片をたくさん捕らえるのです。
つまり、このゼラチンのデザートは、固体と液体の中間にあると考えることができます。
コロイドと呼ばれるもので、小さな小さな粒子が、液体(気体でも固体でもよい)などの中に分散している状態をいいます。
だから、固体のように弾力がありながら、水分が多く、ザルで簡単につぶすことができるのです。
そして、一度ゼリーという新しい組み合わせになると、元の粉には戻せません。ゼリーから水と粉を分離できないのです。
身近な科学体験をしよう
固体と液体が混ざったようなものって他にあるかな?
ウーブレックで遊んだことがありますか?
スライムはどうでしょう?
みなさんも、液体と固体の混ざった不思議な状態「ウーブロック」やスライムを作って体験してみてください。