ビックマックファンの皆さんには残念ですが、マクドナルドでは、朝にハンバーガーメニューをオーダーすることができません。
今回は、何千人ものお客様が早朝にハンバーガーを食べたいとツイートしているにもかかわらず、朝にビッグマックを買うことができない理由について紹介します。
どうやら、その理由は以下のような需要と供給(設備関連)にもとづいているようです。
マクドナルドで朝にハンバーガーを買えない理由
マクドナルド社は、朝のハンバーガーやフライドポテトの需要は、グリルを稼働させるほどのものではないと回答しています。
しかし、実際にはもう少し複雑な問題が隠れているようです。
All Day Breakfast
アメリカでは、「All Day Breakfast」と書かれた広告をよく目にします。
これは、朝食メニューを一日中食られることを意味し、これを取り入れているレストランやカフェはたくさんあります。
実は、エッグマックマフィンが誕生した1972年ころは、マクドナルドでも朝からハンバーガーを注文する人はたくさんいたようです。
しかし、一日中朝食を提供するようになると、より多くのアイテムを同じ調理機器を共有して作らなければならなくなりました。
これが、設備の問題として浮き彫りになってきます。
朝食メニューとレギュラーメニューを同じ温度で調理する方法がない
同じ設備を使うアイテムが増えた状況を少しイメージしてみてください。
同じグリルで、ハンバーガーと卵を焼かなければならない場合、しかもそれが一度にたくさんの量をこなさなければならなくなると、どうなるでしょうか?
卵はハンバーガーよりもはるかにデリケートな素材なので、ハンバーガーの温度で調理すると、硬くて火が通りすぎてしまいます。
一方で、卵の温度でハンバーガーを調理すると、今度は焼き加減が足りません。
さらに、混雑した鉄板の上では、どれだけ汚れがひどくなるかも想像の通り。卵、ベーコン、ハンバーグを一度に焼くにも、鉄板には十分なスペースがありません。
つまり、設備投資をする以外には、朝食メニューとレギュラーメニューを同じ温度で調理する方法が見つからなかったのです。
待ち時間が増える
2015年、マクドナルドは、アメリカで一日中食られる朝食メニュー「All Day Breakfast」を導入した過去があります。
このとき、世界中のエッグマフィンファンは大喜びしました。
しかし、彼らに待ち受けていた現実は、調理が複雑になり、手間が増えたことによる長い行列と待ち時間。
結果的にマクドナルドは、それが客離れの要因になると考えるようになりました。
朝にハンバーガーを食べられる日は訪れるのか
しかし、希望はあります。
2018年4月以来、マクドナルドは、オーストラリアの一部で、「All Day Favorites」というメニューを展開しています。
つまり、オーストラリアには、ビッグマック、チーズバーガー、チキンマックナゲット、ハッシュドブラウン、フライドポテトなどを好きなときに注文できる店舗があるのです。
実際には、地球の裏側まで行って、朝8時にビッグマックを食べる人はいないでしょう。
しかし、マクドナルドが顧客体験を損なうことなくこの取り組みを成功させれば、そう遠くない将来、世界の他の国でも朝食にハンバーガーとフライドポテトを食べられるようになるかもしれません。
参照元:
・This Is Why McDonald’s Won’t Serve Burgers in the Morning
・McDonald’s Bets on Breakfast