古代エジプト人の壁画や像。
よく見ると、男性だけでなく、短髪だったり頭を剃ったりした女性も多くいます。
彼らは、なぜ男女を問わず頭を剃るのでしょうか?
今回は、古代エジプトの生活について、意外と知られていないおかしなできごとをご紹介します。
古代エジプト人が頭を剃る理由
エジプト古王国時代(紀元前2686年頃から紀元前2185年前後)の像には、短髪の女性が残されています。
女性が頭を剃る理由について、当時は、寄生虫や虫からの感染の多い時代で、シラミやノミなどの発生を抑えるために、古代エジプト人は男女問わず頭を剃っていたからだと考えられています。
女性は、ファッショナブルなウィッグ(かつら)を着用していましたが、ウィッグのシラミが気になり始めたら捨てていたようです。
虫からの感染予防の他、強い日差しをさえぎるためにもウィッグは活用され、空気穴によって通気性は考えられていたようです。
時代の変化とともにウィッグは、ボブスタイルから長い髪に流行が移り、飾りもつけられていき、社会的地位や特権の象徴にもなっていきました。
エジプト人は寄生虫に悩まされていた
腸内寄生虫も古代エジプト人には非常に多かったようです。
どのくらい多いかというと、
腸内寄生虫の症状のひとつとして血尿がありますが、これがあまりにも多く見られるため、エジプト人は男性にも月経があると信じていたようです。
エジプト人は当時としては非常に先進的な医療を行っていましたが、その中でも特に人気のある治療法の一つが寄生虫駆除のための浣腸(かんちょう)だったといわれています。
古代エジプトの医学書にもしっかり浣腸による腸内洗浄の記載が残されています。
浣腸にはユニークな逸話もあり、古代エジプト神話の創造神「トート」からの贈り物だともいわれ、トキのようなくちばしをした容器が使われることもありました。
古代エジプト人が頭を剃る理由
以前、なぜイギリスの法廷では白いカツラをかぶるのか?の記事でも、カツラがイギリスの流行病が原因だったことを紹介しましたが、それよりもはるか昔の紀元前の時代からカツラは存在していたようです。
現代でのカツラといえば、薄毛対策やファッションを目的としたアクセサリー的な要素が強いのですが、カツラの歴史は思った以上に古く、医療とも深い関わりがあったとは驚きですね。