火災から私たちを守ってくれるスプリンクラーですが、なぜ、どうやって水が出ているのか不思議に思ってことはありませんか?
さっそく以下に、スプリンクラーの仕組みを見てみましょう。
スプリンクラーの構造と仕組み
基本的な構造は、給水システムとスプリンクラーヘッドの2つからなります。
スプリンクラーヘッドは、放水を止めているプラグ(栓)、液体が満たされたガラス球(赤い部分)、水が散る先端部位(デフレクター)、フレームで構成されています。
まず、火災が発生すると、周囲の温度が上昇し、ガラス球内の液体が膨張し始めます。
そのまま温度が上昇し続けると、さらに液体が膨張していき、やがて圧力に耐えられなくなったガラスは割れてしまいます。
そうなると、水を止めるものがなくなり、加圧された水がプラグから流出し始めます。
流れ出た水が先端部位(スプリンクラー)に当たると、より広い範囲に散布されます。
スプリンクラーの種類
このガラス球には、作動温度の異なるさまざまなタイプがあり、中を満たした液体も異なります。
レストランの厨房や火力を使う工場、サウナなど、基本的に温度が高くなりやすいところでは、標示温度が高めのものが採用されています。それによって、消化の必要が無い場合の誤作動を防ぎ、水害を減らす仕組みです。
このようにスプリンクラーは、周囲の環境に応じて、適切な温度や範囲で作動するように対象を絞ったシステムがいくつか存在します。
たとえば、寒冷気候で広く使用されるタイプのものをはじめ、消火に2つの起動手順を必要とするプレアクションシステムなどがあります。プレアクションシステムは、データセンターや美術館、図書館など誤作動による資産の水害を最小限に抑えて保護するために活用されています。
別の種類のシステムとして、デリュージスプリンクラーシステム(開放式スプリンクラー)があります。このシステムでは、スプリンクラーのヘッドは常に開いています。ヘッドには熱感知要素がなく、外部の煙センサーや熱センサーによって作動する仕組みです。
熱が検出されると、水が配管内に流入し、開いているすべてのヘッドに放出され、エリア全体に広範囲で散水効果を生み出します。このシステムは、火災が急速に広がる恐れのある可燃性液体を扱う産業で最もよく使用されます。
スプリンクラーの仕組みについては、以下の動画で3Dアニメーションにて分かりやすく紹介されています。