「新しくできた水域、特に人里離れた小さな水域に水生生物が存在するのはなぜだろう」
たしかに、昔からある湖や沼に生育する魚は、おそらく人間や外界の助けによってそこにたづりつき、個体数を増やしたと想像できます。
しかし、大雨や洪水の後に、新しくできた池に魔法のように魚が現れ始めるのは不思議だと思いませんか?
実は、魚や水生生物が新しい水域に到達するには主に3つの方法があると考えられています。
2. 自然にそこに到達する
3. 外部からの助けを得てそこに到達する
以下にこの3つの方法でどのように魚が新しい沼や湖にたどりつくのかを例を挙げてみていきましょう。
それは、まさに「生命は必ず道を見つける(Life finds a way)」ことを証明しているかのようです。
新しい水域に魚が現れる理由
自然界には、大雨や洪水の後に池に変わり、雨が降らない日が続くと乾く特定の大きな穴やくぼみがあります。
乾いた池でも同様のケースが発生します。
池が干上がるとほとんどの水生生物が死んでしまう一方で、不思議なことに、再び満水になったときに、もっと小さな生き物が現れることがあります。
これらの魚は、主に次の3つの方法で新しくてきた池や、干上がった池に水が注がれた際にやってきます。
すでにそこで生育していた
まず第一に、水生生物の中には、長い干ばつに耐えられ、好条件の時にしか孵化しない卵を産む種がいくつかあります。
あるいはそこに留まって干ばつ期を乗り切り、水が豊富になったときに再び繁栄する種もいます。
たとえば、藻類は、長期間生存できる胞子を残します。
ある種の生物は、池の泥の中に卵を産み、池に再び雨水が補充されるまでそこで休眠状態に入り、水の準備が整うと再び出てきて、新しく形成された水域で種を繁殖させているのです。
自然にそこにたどり着いた
第二に、土地の一部が排水システムを共有する可能性があります。これにより、異なる水域の水が、そこで生育する生き物とともに別の水域に入り込みます。
多くの湖や池は、川や海などの大きな水域によって形成されています。
たとえば川が氾濫すると、その水は自然の境界を越えて「こぼれ」だし、低地に溜まって小さな「子」水域を新しく形成することがあります。
魚や他の水生生物は、流れてきた川と新しく形成された湖の間にできた「水の通り道」として機能する小川を通ってこの小さな「子」水域に入ることができます。
通常の水位ではつながっていないように見える多くの湖沼は、実際にはさまざまな方法でつながっており、本質的にもとは同じ水域だった水を含んでいることが多いのです。
外部からの助けで移動
このようにして、ほとんどの水生生物は、上記の方法のいずれかを介して新しく形成された水域に移動しますが、別の方法で移動する種もあります。
それらは、鳥、 陸上動物、または、人間の助けを借りてやってくるのです。
たとえば、鳥が池の水を飲むと、魚の卵が鳥の羽や足に付着することがあります。
その五、鳥が新しく形成された水域に降りると、卵が羽や足から離れて新しい池に新たな生命が誕生するのです。
同じことが陸上動物によっても起こります。
動物の足や毛皮は、2つの池の間を移動する水生動物の卵を落とさずに運ぶことができます。
人間もまた、水生動物を意図的に、または、意図せずに新たな池に移動させることがあります。
たとえば、特定の魚の個体群を飼育し、新たに個体数を増やしたい水域に放流するための養魚場や孵化場です。
時には、ボートやその他のウォータースポーツ用品の底に魚がひっついたまま、新しい水域まで運ぶこともあります。
池の大きさ、形成された時期、または、他の水域からの明らかな孤立に関係なく、魚やその他の水生生物の出現は、自然に対する格言の1つ「生命は必ず道を見つける(Life finds a way)」に起因しているようです。
参照元:fish in pond