2対の触角をもち、ボール状に丸まるというユニークな動きで知られる虫「ダンゴムシ」。
虫といっても、ダンゴムシは昆虫ではないってご存知でしょうか?
昆虫には、6本の足があります。
一方で、ダンゴムシは片側に7本ずつあるので14本。これはダンゴムシが昆虫ではないことを示しています。4対8本の足をもつダニやサソリなどのクモ類も昆虫ではありません。
さっそく以下に、ダンゴムシの知られざる生態について紹介します。
実はダンゴムシは排尿しないってご存知でしょうか?
多くの動物がアンモニアなどの老廃物を尿素に換えて排泄しますが、ダンゴムシにはアンモニアへの耐性があり、外骨格でアンモニア成分を通過させることができるため、排尿の必要がないようです。
唯一の陸上甲殻類
ダンゴムシは、その名の通り、身の危険を感じると防御反応としてお団子のように体を丸める習性があります。
彼らは昆虫ではなく、ロブスターやカニ、エビ、ザリガニのような硬い外骨格をもつ「甲殻類」です。さらに細かく分けると、ワラジムシやオウグソクムシと同じ等脚目(とうきゃくもく)。
生まれた時には6対の足しかありませんが、脱皮後に7対目の足を得ます。
完全に陸上生活に適応した甲殻類ですが、もともとは海洋性であったため、湿った環境でしか生きられず、完全に水に浸かって生きることもできません。
呼吸方法
ダンゴムシは、エビやカニと同じように口から呼吸をしません。
ここで体をひっくり返して、下側をよく見てみましょう。
この足の下にある白い突起が見えますか?
これらの白い突起はダンゴムシのえらです。
ダンゴムシは、ザリガニと同じように腹部のえらで呼吸します。
ダンゴムシの知られざる生態
ダンゴムシは、害虫扱いされることが多いようですが、実際には、生態系を維持するうえで、大きな役割を果たしています。
雑食性で、植物や枯れ葉、動物の腐敗物、死んだ虫、フンなどを食べ、その栄養分を土に戻して植物の肥しとするのです。
実は、ダンゴムシは、排泄時に失う銅成分を補給するために、自分のフンも食べます。銅、亜鉛、鉛などの金属も食べて消化器官で結晶化させることができるため、生態系や土壌から重金属イオンを除去する役割も担っているのです。
驚くかもしれませんが、彼らは口を使って水を飲むだけでなく、おしりから水を取り込むこともできます。お尻の特殊な管状の構造体は、必要なときに水を吸い上げることができるのです。
ダンゴムシのユニークな生態については以下の動画で見ることが出来ます。