「飛行機の窓から星が見えない」ことにがっかりする人は少なくありません。
たしかに、飛行機からの「空中星空観測」の方が、より一層星がきれいに見えそうですが、実際に天体を見るのはとても難しいようです。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
飛行機から星を見れることはあるのでしょうか?
以下に、夜間飛行中の天体観測を妨げる原因「スカイグロー」について、星を見つける秘訣とともに紹介します。
星は何十億km以上も離れた天体
私たちが夜空に見ているのは、地球から何十億km以上も離れた天体です。
そう考えると、地上にいても、高度約10,000mにいても、これらのはるか遠くの星を見る能力はほとんど変わらないはずです。
最も近い恒星「太陽」を例に考えてみましょう。約1億5,000万キロメートル離れたところから放たれる光は、信じられないほどの速さで約8分後には私たちに届きます。
太陽に最も近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」までの距離は4.24光年です。
星が見えない理由
日中、地上から星は見えません。これは、飛行機の中も同様です。
理由は簡単で、太陽の明るい光が他のすべての天体の明るさを消してしまうからです。
384,000km離れた比較的近い月でさえ、通常、昼間は見えにくくなります。
したがって、日中に飛行機から星を観察しようとしても無駄です。
一方で、夜なら飛行機の中から星がよく見えると思うかもしれませんが、残念ながらそうではありません。
上空から見る星の光は、他の光源との競合にさらされているからです。
特に人口密集地域の上空では、いくつもの光の線が集まった光束が増大します。さらに、スカイグローは、はるかに広い範囲に影響を及ぼすため、街から離れた上空でも星が見えにくくなるのです。
光の輝度がピークに達する満月の時も同じで、客室内の人工照明と一緒になって、星の発見を妨げます。
私たちの目は、機内照明に慣れているため、遠くの星の輝きを知覚することが難しくなるのです。
飛行機から星を見つける方法
ただし、方法を知っていれば、夜の飛行機から星を見つけることは不可能ではありません。
私たちは空の輝きや月明かりのような外部要因を制御することはできませんが、目を暗闇に調整して、星のかすかな輝きをよりよく見つけることができます。
たとえば、暗い空間を作ってみてください。
周囲の光を遮断するために厚い毛布を頭の上にかぶり、暗闇に目を慣らしてから外を見ると、運が良ければ、暗闇に目が慣れている数分間は、 側の席から夜空に輝く星が見えるかもしれません。