地球は、公転軌道に沿って太陽の周りを1周するのに365日かかります。
ということは、地球は太陽の周りを回り続ける間に、毎年あなたの誕生日に全く同じ場所に戻ってくるということでしょうか?
残念ながら、宇宙の膨張にのって移動する銀河系、その銀河系を回る太陽系にある地球は二度と同じ場所に戻ってくることはないようです。
以下に、なぜ地球は同じ場所に戻ることがないのかについてみていきましょう。
地球は365日では戻れない
地球が、太陽系の中心星である太陽の周りを1周するのには一年間。
ただし、正確には365日ではなく、それより少し長くなります。
地球が太陽の周りを1周する正確な時間は365.2421891日となり、一般的には四捨五入して365.25日、つまり365日と6時間となるわけです。
もし地球が正確に365日で1周するのであれば、理論的には、地球は毎年あなたの誕生日に公転軌道の全く同じ場所にいることになるでしょう。
しかし、太陽の周りを1周するにはさらに6時間かかるため、毎年誕生日やどの日にも惑星が同じ場所にあることは不可能なのです。
この余分な6時間が物事を複雑にしているためです。
6時間のずれ
この6時間を無視することはできません。
そうすれば、暦が狂ってしまい、ちょっとずつ季節と暦がずれていくからです。
これがうるう年がある理由です。
現在世界中で使われている暦(グレゴリオ暦)は、1年を365日としか表示しておらず、余りの6時間は表示していません。
その結果、毎年余った「6時間」が積み重なり、4年ごとに24時間、つまり丸1日余ることになります。この余った1日を「うるう日」と呼び、その日が2月に加わる年を「うるう年」と呼ぶというわけです。
しかし、2月29日は私たちの生活にとって特別な日ではありません。単に、カレンダーが地球の動きと同期していることを確認するための数学的なトリックであり、結果的に私たちの生活を便利にしているものです。
6時間のずれがなくても同じ場所には戻らない理由
実のところ、地球が太陽の周りを1周するのに365日ちょうどであったとしても、私たちは1年前とまったく同じ場所にいるわけではありません。
なぜなら、太陽、地球、その他すべての天体を含む太陽系全体が、天の川銀河の中心にあるブラックホールの周りをひとつのまとまりとして動いているからです。
太陽系全体の平均速度は時速約85万キロとはるかに高速で移動していますが、それでも太陽系が天の川銀河の周りを1周するのに約2億年はかかることになります。
さらに、銀河系自体も、時速216万キロの高速で膨張する宇宙とともに移動しています。
つまり、地球は毎年あなたの誕生日に宇宙の同じ場所に来るわけではないのです。
そうではなく、地球は宇宙空間を猛スピードで疾走し続け、同じ場所に2度とどまることはなく、同時に私たちの愛する太陽の周りを回っているのです。
地球が誕生日に再び元の軌道上の場所に戻らない理由については以下の動画で見ることができます。