ナマケモノは地球上で最も動きが遅く、最もぐうたらに見えるほ乳類です。
彼らは、より多く食べるように進化したのではなく、より少ない労力で生きていけるように進化した生き物なのです。
そして、ナマケモノがこれほどのろまな理由は、彼らの食習慣にも隠されています。
研究がすすむにつれて、この地球上で最も代謝の遅い哺乳類は、必要なエネルギー量が非常に少ないことが分かってきました。それは、エネルギー代謝率が低いコアラやジャイアントパンダに勝ります。
以下に、ナマケモノの食事風景を紹介した動画をもとに、彼らが最も動きが遅い理由について見ていきましょう。
世界で一番消化プロセスの遅いほ乳類
南米に生息するナマケモノは、1日に約15時間近くを睡眠に費やし、木から降りることはほとんどなく、消化の働きも鈍いことで知られています。
ある日、メスのナマケモノがエサを探していました。そして、目の前にあるのは、セクロピア属の有毒な木の葉。
熱帯雨林の植物には、硬くて食べにくい植物や噛まれるとネバネバした有害な液体を出す種など有毒な種が数多くあります。
しかし、ナマケモノは何も気にすることなく、その有毒な葉をゆっくりと食べ始めました。狭い生育域で、エサを確保するために、他の動物は食べないような植物をも食べられるように適応してきたのです。
そして、このエサにもナマケモノがのろまな理由があります。
植物の毒素を消化し、分解するのには多くのエネルギーと時間を費やすため、無駄な動きによる体力やエネルギーのロスを抑えて、できるだけ消化プロセスに費やしているのです。
彼らは、外気温に応じて体温を変動させることでも、消費エネルギーを節約しています。
エネルギー必要量が少ない
1回の食事の後、食べ物を2週間かけて消化します。ときには1ヶ月かかることもあるほど。
樹上生活動物であるナマケモノは、脂肪やタンパク質を摂らず、植物を主食としているため、活発に動くためのエネルギーをあまり持っていません。
彼らは、この栄養やエネルギー不足に適応するために、ゆっくりとした動きをするのです。
食べ終わったら、木の枝にぶら下がって体をゆっくりと休めます。