この小さなヒトデには秘密があります。
どうやら下に何か貴重なものを隠しているようです。
ひっくり返してお腹を見てみましょう。
このふっくらとした球体は彼女の胚で、
これは今まさに孵化した幼生です。
彼らは、親には全く似ていませんが、これから数ヶ月かけて似てきます。
以下に、このヒトデの過干渉、過保護な子育てをみていきましょう。
6本足のヒトデ
大きくなっても直径5cmほどにしかならない「Leptasterias hexactis」と呼ばれる小さなヒトデ。
どの海のヒトデより1本腕が多く、その腕も短くて太い。
北西太平洋の波打ち際に好んで生育しています。
そこでは常に荒波がぶつかるため、Leptasterias hexactisの足にはびっしりと先端が吸盤のようになった「管足」が生えています。
粘着性の強いこの管足の吸盤で岩にしっかりとひっついて体を上手に移動させるのです。
Leptasterias hexactisは、毎年春から秋にかけて、卵を少し産みます。
しかし、ここは、カモメや空腹の捕食者があちこちにおり、子育てには厳しい環境でもあります。
そのため、大切な赤ちゃんを膨らみの下でずっと守りながら子育てをするのです。
過保護な子育て
科学者たちはこのヒトデの子育ての行動を、鳥が「抱卵(ほうらん:卵を孵化させるまで温める)」とおなじように呼んでいますが、これはこの種の海の生き物としては珍しい行動です。
彼らの仲間のほとんどは、ヒトデや、サンドドルやウニのように、子供を育てるために一種の放し飼いアプローチをとります。
放し飼いの産卵動物の場合、成魚は大量の卵子と精子を水中に放出して受精させ、それが幼生に成長。彼らの卵は独力で成長し、最も幸運な者だけが大きくなれるのです。
一方で、この6本足のヒトデの母親は、それとは全く反対のアプローチを取りす。子供は少なく、子供たちの生活に干渉します。
メスは、繊細な足で成長中の子供たちを丁寧に洗い、やさしくなでるような仕草をもみせます。
これらのかわいい子供たちの世話をするため、母親は口のすぐそばで赤ちゃんを抱えて丸3か月間何も食べません。
赤ちゃんを抱えるのに使っていない他の管足でしっかりと岩場にしがみついています。
赤ちゃんの成長
成長中の子供たちは、腕と呼ばれる3本のずんぐりとした一時的な手足で母親と兄弟にしがみつきます。
子供は成長するまで、何も食べません。口さえないのです。
代わりに、すでに体内に蓄えられたエネルギーで生き延びます。
約1か月ほどすると、真新しい6本の腕が飛び出し始めます。
そして、最初の管足が成長。
管足も増え、母親と姿が似てきました。
十分に大きくなると、それ以上母親とは一緒にいられません。旅立ちのときです。
長くて不格好な管足を持つ赤ちゃんヒトデは、 まだ特大の足に成長していない子犬たち、初めての食事を探しに行く時間です。
大人のヒトデはフジツボや巻き貝などの貝類を食べます。
赤ちゃんヒトデも貝の赤ちゃんを追いかけます。
小さなヒトデは、獲物を腕で抱きしめ、胃をカタツムリの殻の中に伸ばして生きたまま消化します。
甘やかされていると言う人もいるかもしれませんが、この重要な最初の数か月間の余分な世話により、これらの小さなヒトデは生き残る可能性が高くなるのです。