ガムを飲み込んだらおなかの中でどうなるのか?

2016年12月 7日

ほどんどの人が、幼い頃からガムを飲み込まないように言われており、誤って飲み込んでしまった時に、おなかからガムの木が生えたり、胃の中に何年も何年もガムがたまっていくと聞いて、不安になった人もいるかもしれません。

それでは、どうしてガムは飲み込んではいけないのでしょうか?

ここでは、ガムを実際に飲み込んでしまった場合に、体の中でどうなるのかや腸閉塞になる危険性について、科学的に明らかにされたことを分かりやすく紹介します。

ガムは消化できない

食べ物は、まず、私たちが噛む時に出る唾液に含まれる酵素によって、そして、飲み込んだ後は、胃酸や胃から分泌される酵素によって分解されます。その後、腸で必要な栄養素が吸収されていきます。

しかし、ガムは、どれだけ噛んでも、唾液に含まれる酵素や胃や腸の消化酵素に触れたとしても、分解されて完全に溶けることはなく、腸でも吸収されることはありません。

実は、ガムが消化されないことは、目新しい発見ではなく、昔から知られていることです。

ガムは昔から食べられていた!おもしろいガムの逸話や歴史

  1. 考古学者が、中石器時代のものと思われる白樺の樹皮のタールに歯型がついたものを発見。
  2. 古代ギリシャの女性は、自分の歯や息をきれいにするために、マスチックと呼ばれる木の樹脂を噛んでいました。マスチックは、抗菌・抗炎症作用があることから、現在もガムの原料に使用されています。
  3. アメリカ先住民は、開拓者たちに、トウヒ(針葉樹)の樹脂を噛むとのどの渇きを和らげることができると教えていました。
  4. 19世紀になると、人々は、原油を原料としたパラフィンワックスをベースに、甘味をつけたガムを噛み始めます。
  5. 第二次世界大戦までは、チクル(弾力性に富んだサポジラの樹液を固めたもの)をガムベースに使います。
  6. 現在のガムは、チクルを模倣した合成ゴムや天然ゴムをガムベースにして、それに甘味やフレーバーを混ぜて作られています。ガムのベースがゴム?と聞くと、どうしても体に悪いような気がしますが、米国食品医薬品局は、ガムを「非栄養性そしゃく物」に分類しています。

非栄養性そしゃく物とは、人の生命維持に必要な栄養素以外の食べ物です。

飲み込んでしまったガムはおなかの中でどうなるのか?

ガムは、厳密にいうとゴム製品なので、消化することができません。しかし、幸いにも私たちの体は、消化できないものを排泄する手段を持っています。

消化官は、常に活動している場所なので、ガムの塊を筋収縮によって移動させて、便として排出してくれます。そのおかげで、ガムが胃の中で山積みされたり、消化器官の壁にへばりついたりすることはありません。

排泄されるまでの期間は、人それぞれの消化システムの運動量によって異なり、数時間で出てくる人もいれば、2、3日かかることもあります。

これは、トウモロコシの種を食べた後、殻がそのまま排泄されるのと同じです。

しかし、そうはいっても、ガムを飲み込むのを習慣にしていいわけではありません。

ガムを飲み込んだ時の体への悪影響

私たちの体は、消化されない塊を押し出す時に、消化システムに大きな力を必要とするため、飲み込んだガムの量が多くなると、消化官が詰まったり、腸閉塞になる危険性があります。

もし、腸の狭い道を塞いでしまうほどのガムを飲み込んでしまうと、まずはおなかが痛くなり、便秘を伴います。それが取り除かれないまま残ると、症状はさらに悪化していきます。

しかし、これは非常にマレなケースだといわれています。

そのため、ガムを1個飲み込んだくらいで、死ぬことはありません。しかし、体の健康のことを考えると、吐き出す方が賢明であることには変わりありません。