舌のやけどをやわらげるための基本的な応急処置方法をはじめ、身近な食べ物(塩水や砂糖、はちみつ)を使って、やけどによる口内の痛みや炎症を落ち着かせる裏ワザなどを紹介します。
実は、舌や口内のやけどは、膜組織の粘液のおかげで、他の部位に比べて治りやすいといわれています。ちょっとしたやけどなら、2、3日も経てば自然と痛みが消えることが多いようです。
そうはいっても、軽いやけどでも、舌が腫れてひりひりしたり、痛みで食事ができない状態になったらつらいですよね。
さっそく、以下に舌のやけどの痛みをやわらげるための応急処置方法をみていきましょう。
舌の痛みや炎症をやわらげる方法
やけどによる舌の痛みを和らげるには早めの処置が求められ、はじめの迅速な処置が、回復スピードを左右するともいわれています。
舌の粘膜には、舌乳頭(ぜつにゅうとう)と呼ばれる舌の感覚を感知する小さな突起がたくさんありますが、舌をやけどした場合、この舌乳頭が一時的に失われてしまうこともあるようです。
幸いにも、舌のやけどによる痛みをやわらげるのに役立つ応急処置方法はいくらかあるので、下記に基本的な対処法から紹介します。
応急処置方法
大切なのはやけどをしたところを冷やすことです。
どのような小さなやけどであっても、少しずつ水をすするようにして飲み、まず舌の温度を下げて炎症を落ち着かせてください。
口内の水分補給と同時に、唾液の流れによって、バクテリアがやけどの部位にとどまって悪影響を与えるのを防ぐことができます。
米国国立医学図書館(U.S. National Library of Medicine)の記事では、やけどをやわらげる対処法として、以下のように示されています。
水をすするようにして口内を冷ました後に、ぬるま湯で作った塩水で口をすすいでください。
小さじ1/8杯の塩をコップ1杯(約230ml)のぬるま湯に加えて、それを口の中でゆっくりと動かした後、吐き出してください。塩水は炎症による腫れや痛みをやわらげるのに役立つ自然由来の消毒液です。
その他、舌のやけどをやわらげるのに効果的な対処法を下記に紹介していきます。
氷やアイスクリームで冷やす
やけどによる痛みを感じたら、3、4分間、氷を口に入れて冷やしたり、棒状のアイスクリームをやけどの部位にあてながら食べたりするのもよいでしょう。
ヒリヒリとした刺すような感覚がまひして痛みをやわらげる手助けとなります。
冷やすという行為は、同時に、炎症や腫れをおさえるのにも効果的です。
砂糖をやけどをした部位にあてて溶かす
砂糖をひとつまみ取り(約小さじ1/2杯程度)、やけどをした舌の上に直接ふりかけた後、舌先を口の上側(歯の裏)にしばらくあてて(約5分)とけるのを待ちます。
砂糖をあててとかすことによって、痛みをやわらげる効果のあるホルモンが分泌されるのを利用した方法です。
ハチミツをなめる
国立衛生研究所(National Institutes of Health)によると、ハチミツには抗菌、抗炎症作用があり、傷口の腫れをおさえて回復を早める効果があるといわれています。
冷たい空気にあてる
周囲にやけどをやわらげてくれる水やハチミツなどがないようなら、口をすぼませながら息を吸って、舌を冷たい空気で冷ましましょう。
舌をやけどしたときの注意点
上記を試しても、やけどによる痛みや炎症がなかなかやわらぐことがないような場合は、他の原因も考えられるため、口腔外科や歯科に相談してみましょう。
舌や口内をやけどした場合、治癒するまでは、パイナップルやオレンジなどといった酸味のある果物を食べたり、歯磨き粉やマウスウォッシャー(うがい液)を使用したりするのは刺激が強すぎるため、できるだけ控えた方がよいでしょう。
最後に:舌のやけどに関して
食は、私たちの生活においてかかせないものです。
しかし、舌をやけどしてしまうと、食材の香りや食感などを感じることができなくなり、楽しいはずの食事の時間が味気ないものになってしまいます。
上記の応急処置方法は、どれも身近なものを使った簡単なものばかりなので頭の片隅に入れて、ぜひ舌をやけどしたときに思い出して役立ててみてください。
ここでは、一般的な舌のやけどに関する理解と知識を促進することを目的として紹介しました。
それは専門的な助言、診断、または、治療の代わりになることを意図したものではありません。
病状や治療に関して疑問がある場合は、必ず歯科医や口腔外科医、または、その他の資格のある医療提供者に相談してみてください。
参照元:
・Quick Tips: How to Soothe a Tongue Burn
・How to Soothe a Burnt Tongue
・Colgate.com