川岸や海辺を歩いていると、突然砂に「ズボっ」と足が埋まり、そのまま埋もれていく。これが流砂(沼でいうと底なし沼)で、見た目からは分かりにくく、一度はまってしまうと脱出方法を知らない限り抜け出すのは困難だといわれています。
流砂は、水分を含んだ非常にもろい地盤で、振動や圧力に弱いため、もがくほどアリ地獄のようにゆっくりと引き込まれてしまいます。
それではどうすれば無事に逃げられるのでしょうか?
ここでは、あやまって流砂に足がとられ、埋まってしまったときに脱出する方法を紹介します。
流砂とは
海岸でよくみられる流砂は、細かい砂と粘土、海水が混ざったもので、それが時間とともに厚みを増し、ちょっとした圧力で崩れやすくなっています。
多くの人が、足が埋まった時点で、映画に見られるような人が砂に飲み込まれていくシーンを思い浮かべてしまうかもしれませんが、実際には、むやみに体を動かさない限り息ができなくなるほど沈むことはありません。
流砂の危険性と注意点
流砂に足がはまってしまった場合、しばらくは、沈んでいくかもしれません。
しかし、最も大切なことは、パニックにならないことです。
実は、人間は流砂では浮かぶようになっており、立ったまま流砂に飲み込まれるのは不可能だといわれています。
それほど流砂は高密度であるため、たとえ人間が沈んでも腰までです。
それでは、どうして流砂にはまって危険な目にあったり、実際に命を落としてしまったりする人がいるのでしょうか。
原因は流砂の粘性にあります。もがけばもがくほど、振動や圧力が加えられて粘性(粘り気)が増し、人を包み込んで動けなくしてしまうからです。
脱出方法とコツ
仮に、流砂に腰まで埋まった場合、周囲の人に、引っ張り上げてもらおうとしないでください。彼らの力は、上半身にしか働きかけず、少人数で引っ張り上げるのはまず無理です。
- 代わりに、足を左右に振ってください。足を揺らすように動かすことで、水が流れ落ちるポケット(空間)が生まれ、あなたの下半身の周りの地盤をゆるめてくれます。
- そして、靴を脱ぎ、上半身のみを仰向けに寝かせてください。仰向けになって流砂の上に寝転ぶことで、砂に面する体積を広げ、体重を分散できます。
- その姿勢のまま、腕のみを動かして背泳ぎをするように頭から上側に移動してください。
- 流砂は、あなたを浮いた状態で保ってくれるので、そのまま後方に進みながら、太もも、膝、足の順にゆっくりと抜けていくでしょう。
- 流砂から抜け出たら、転がるようにして遠ざかります。