意外かもしれませんが、「脳」は、あなたを挫折させるプロです。
勉強、仕事、スポーツ、ダイエット。目の前にやらなければならない課ことが山積みでも、ついつい理由をつけて楽な方に逃げてしまう。
このように、怠け心に負けそうになる瞬間は誰にでも訪れるものですが、実はこれ、脳の仕業だったのです。
もちろん世の中の一流と呼ばれる人たちにもそんなときはあります。
しかし、彼らは、怠け癖を克服する術を知っているからこそ、ビジネスやスポーツの世界で結果を出しているのです。
そこで今回は、脳の怠け癖を克服し、モチベーションを維持し続ける方法について、心理学者ジョナサン・フェーダー博士が自身のクライアントであるアスリートやウォール街のビジネスマンたちに実際にアドバイスしている戦略やテクニックを中心に分かりやすく紹介します。
怠け癖は脳が引き起こす
Jonathan Fader氏は、モチベーションが維持できず、やるべきことを先延ばしにしたり、諦めて逃げたくなったりしたクライアントに対して、まず脳と対話するようにアドバイスしています。
もともと脳は、あなたにとって不快な存在を避けようとする性質があるため、嫌なことや痛みを伴うものに遭遇したときに、それを「諦めてしまえ」と指示を出そうとします。
つまり、脳は「もう十分だ」、「これ以上は無理」、「諦めようよ」といった思考になりやすいのです。
そして、そんなときにこそ「脳との対話テクニック」が役立ちます。
前もって計画を立てて、やるべきことを習慣化する
たとえば、オリンピックの金メダルや試験合格といった目標を掲げた場合、まずは、それを実現させる姿をイメージしながら、目標の達成のために必要な課題を考え、具体的な計画をたてます。
そして、それを習慣化させます。
もちろん始めのうちは、幾度となくくじけそうになるでしょう。
そんなときは、そのタスクを少しだけ無理して少しだけ長く取り組んでみてください。
たとえば、脳が「もうこれ以上は無理だ」と指令を送ったときに、「この練習をあと10分間続けられたらきっと結果につながる」と脳に上書きします。ある意味、あなたが脳をだますのです。
これによって、脳の中に新たな行動パターンが埋め込まれていきます。
こうして、やるべきことが一度習慣化してしまえば、それはとても大きなパワーとなります。
やるべきことを細かく分けていく
一流のアスリートたちは、やるべきこと(タスク)を細かく分けて考えいます。
たとえば、マラソンであれば、1年後までに地区大会優勝、2年後までに全国大会出場というように、達成したい目標を、時系列に立てていくのもよいでしょう。
そして、それに向けて、日々走る距離やタイムの目標などを細かく計画していきます。
計画を立てたら、あとは実行していくのみです。
ただし、習慣化するまでは、決して無理のない現実的な目標を設定してください。
危機管理計画(コンティンジェンシープラン)を持つ
ウォールス街のビジネスマンや一流のアスリートたちは、予期せぬ事態に備えた危機管理計画(コンティンジェンシープラン)を持っています。
彼らは、もしその計画がなければ、脳は、きっと自分を挫折させるであろうことを知っているからです。
脳に怠け癖があるのなら、それを理解したうえで、やる気を再び引き起こす方法を身につけていけばよいのです。