メープルシロップは、カエデの木の樹液から作られます。
でも、木から出る樹液をただ集めるわけではありません。少し複雑で大変な作業が必要なのです。
まず、カエデの木が樹液を出す特別な時期を待たなければなりません。
以下に、カエデの木が樹液をつくるプロセスや時期、水のような樹液からメープルシロップが作られる工程について紹介します。
カエデの木が樹液を作る理由
カエデがどんな木か知っていますか?
葉っぱがとてもきれいな木です。
カエデの葉は有名で、カナダの国旗にもなっています。
夏の間、カエデの葉は、木が成長して生き残るためのエネルギー源を作ります。
大きな葉っぱは、空気と水と太陽の光を使って、特別な栄養「ブドウ糖」を作るために忙しく働いているのです。
このブドウ糖は、エネルギー源として木のいろいろな場所に移動しやすいようにたくさんの水と混ぜ合わされ、全身を巡ります。
見た目は水と同じですが、味はほんのり甘く、糖分と水が混ざったもので、これを「樹液」と呼びます。
樹液がブドウ糖を移動させるのは、私たちの中で血液が全身に移動するのと少し似ています。
樹液を採取する時期とは
メープルシロップは、カエデの樹液から作られますが、この樹液を採取するには、1年のうちで特別な時期を待たねばなりません。
寒い時期、カエデの木は、夏に蓄えた栄養を樹木の中に樹液として蓄え、成長する春に備えています。
幹から樹液をとるには、冬から春に移り変わる季節、木々に新しい葉が生え始める時期まで待たなければならないのです。
樹液が凍って氷になるくらい夜が寒く、その樹液が溶けるくらい昼が暖かくなると、カエデの木は糖分を含んだ樹液を枝に送り始めるからです。
この昼と夜の温度差によって、樹液は幹を上下に移動します。
寒い夜には上に、暖かい昼間には下にと、まるでその様子は、樹液が木の中を走っているようです。
この樹液が上下に動いている時期が、カエデの幹から樹液を採取する絶好の機会なのです。
メープルシロップの採取方法と作り方
まず、樹液を採取するために、人々はカエデの幹にドリルで小さな穴を開け、そこに短い注ぎ口をつけます。
樹液が幹を上下すると、その一部が穴を通り、注ぎ口から出るのです。
採取したばかりの樹液は、まだメープルシロップにはなりません。
メープルシロップを作る人は、木の成長を邪魔しない程度の十分な量の樹液を集め、それを巨大な鍋に入れて沸騰させます。
樹液が沸騰すると、水分が蒸発して、甘くて粘り気のある濃い樹液が残ります。糖分が加熱されるため、水のような樹液は、きれいな茶色に変わるのです。メープルシロップの完成です。
メープルシロップを作る人は、十分な量の樹液を集め、適切に煮沸するだけでなく、すべてのカエデの木を世話するために一生懸命働かなければならないのです。
あなたの周りには、他にも春を待つ植物や、おいしい食べ物を与えてくれる植物はありますか?
ぜひ周りを観察し、調べてみてください。