「転ぶたびに起き上がり続けなさい」ネルソン・マンデラのハーバード大学でのスピーチ

ネルソン・マンデラ氏のスピーチ世界のスピーチ集

ネルソン・マンデラ氏の言葉に、とても印象的なものがあります。

人は、決心すればどんなことも克服できる。
成功するためには、どこから始めるかではなく、どれだけ高いところをめざすかが大切である。

彼の人生は、まさにその言葉通りのものでした。

ネルソン・マンデラ氏ネルソン・マンデラ氏は、大学で学生自治の権限を求めて退学となった後、ウィットウォーターズランド大学で法律を学び、南アフリカで初の黒人の法律事務所を開設。
後に、差別的な社会構造「アパルトヘイト」の合法化に対して、黒人の権利を訴えて抵抗運動を主導し、国家反逆罪で27年間も刑務所に入る。釈放後も人種差別と闘い、1993年にノーベル平和賞受賞、そして、1994年には南アフリカ共和国の全人種が参加した民主的な選挙による初の大統領に。

参照元:Nelson Rolihlahla Mandela

ネルソン・マンデラ氏にとって、リスクを取らない人生など何の価値もないもの自分がやれること以下の小さな生き方で満足してしまう人生には、何の情熱もありえないものでした。

彼は生前、「生きるうえでの偉大な栄光は、決して転ばないことではなく、転ぶたびに起き上がり続けることにある」と言い、

自身の功績も「何を成し遂げたかではなく、転んでは起き上がった回数で私を評価してほしい」と述べています。

以下は、故ネルソン・マンデラ元大統領が、1998年にハーバード大学の特別式典で名誉学位を授与されたときのスピーチです。

アパルトヘイト(人種隔離政策)政権を終焉させ、英雄として敬われながら憎しみではなく開かれた対話によって新しい関係を作ることに尽力しますが、南アフリカには、まだ貧富の差などの課題が多く残されており、「人類にとっての自由と平等への道は、残念ながら、まだ長い道のりのように思われる」と語っています。

そんなグローバル化した世界での最大の課題「経済格差を根絶すること」に対する思いが込められたスピーチ「自由と正義のために」の一部抜粋(日本語訳)と実際の動画です。

ネルソン・マンデラ氏のスピーチの抜粋(日本語訳)

この賞は、個人の功績を称えるのではなく、南アフリカ共和国全体の闘争と功績に敬意を表すものであると受け入れています。

西洋における二人の輝かしい指導者ジョージ・ワシントンやウィンストン・チャーチルと共に、このアフリカ人の名前が加わったのです。

グローバル化した世界が直面する最大の課題は、格差と闘い、それを解消することです。

世界のあらゆる地域で民主主義の定着がすすむ一方で、民主主義は、何百万もの市民の物理的な生活に現実的で具体的な改善が伴わなければ、抜け殻に過ぎないことを常に私たちは思い起こす必要があります。

飢えや予防可能な病気に苦しみ、無学や無知に苦しみ、家も奪われ、こうした物理的な側面を認識しない民主主義や自由は空虚に響き、私たちが推し進めようとする価値観への信頼を失いかねません。

ゆえに、国家間、および、国民間で、より優れた平等が存在する世界秩序の構築に向けて、私たちは普遍的な義務を負っているのです。

教育は、世界を変えることができる最もパワフルな武器

先進国と発展途上国、南北間の格差は、教育や知的資源にも反映されています。

発展途上国の思想家や知識人が、その技術と分析を磨き、富裕層だけでなく、すべての人々が共有する共通のニーズに応える世界秩序の形成のために、北と南の人々が真の意味でのパートナーシップを築く必要性が強く差し迫って求められています。

私たちは、学問、科学、技術の進歩の豊かな果実が、来るべき世紀において、この地球村のすべての人々に真に共有されることを願いつつ、新しい千年を迎えるのです。

私たちは、現在私たちが誇りにしているこの機関が、その実現のために主導的な役割を果たすと確信しています。

NELSON MANDELA: Freedom and Justice スピーチの動画

復興と開発という南アフリカの課題にハーバー度大学と共同で取り組んだプログラムの恩恵に感謝し、共有する世界の一部として、これからも真の平等に向けて行動し続けることを期待したスピーチです。

ENGLISH SPEECH | NELSON MANDELA: Freedom and Justice (English Subtitles)

最後に、ネルソン・マンデラ氏の言葉で、個人的に好きな言葉を紹介します。たしかLong Walk to Freedomという書籍での一説だったと思います。

“No one is born hating another person because of the color of his skin, or his background, or his religion. People must learn to hate, and if they can learn to hate, they can be taught to love, for love comes more naturally to the human heart than its opposite.”

生まれながらにして肌の色や生い立ち信仰のために人を憎む人間などいません。憎しみは後から学ぶのです。憎むことを学べるのなら、愛することも教えられるはずです。愛はその反対の感情よりも、人間の心に自然に入り込むものだから。