羽ばたかずに何千キロも飛べる翼の仕組みに迫る

アホウドリが翼動物・生き物

定期的に(わずか46日間で)地球を一周している「アホウドリ」、花から花へ忙しく移動するハチ。

地球上には飛行機だけでなく、空を飛ぶ生き物がたくさんいます。

そして、虫、鳥、コウモリといった空を飛ぶ動物はすべて翼を持っています。そういえば、水中にも翼を使って滑走する鳥がいますね。ペンギンです。

これらの動物が飛ぶ姿は、本当にさまざまです。

それぞれが生育する環境によって、翼の構造が異なって進化してきたからです。

以下に、動物が体をある場所から別の場所に移動するために使用する「飛行」の方法と翼の仕組みについていくつかチェックしてみましょう。

長距離移動に適した「アホウドリ」の翼

アホウドリは、空を飛ぶ鳥の中で最も長い翼をもつといわれる大きな鳥です。

なんと、アホウドリの一種、ワタリアホウドリの翼の長さにおいては3.7メートル以上のものも確認されています。

アホウドリは、海の上空で多くの時間を費やします。

彼らの大きな翼は、飛行機の翼に少し似ていて長くて細く、海で必要な食べ物を探すために長い距離を飛ぶのに役立っているのです。

好物であるイカやオキアミと呼ばれる動物を求めて、遠く離れたところまでときには何時間も休まず、羽ばたきもせずに、風をとらえながら空中を滑るように移動します。

実際、アホウドリの一種はわずか6週間で世界中を飛び回ることができるといわれています。

科学者らが、インド洋のアホウドリの群れにGPSを取り付けて調査したところ、ダイナミックソアリングと呼ばれる飛行テクニックによって、(低空と上空における風速の大きさの違いを利用しながら)何千キロも羽ばたくことなく移動することが確認され、その最高時速は107キロを記録

イギリスの科学者によると、アホウドリが、1回の飛行で10000マイル(約16093キロメートル)を飛行することが分かりました。地球一周の最速記録は46日一日で平均600マイル(965キロメートル)を移動し、なかには地球を2周したアホウドリもいたそうです。

アホウドリは、繁殖のためだけに上陸し、ときには海面に浮くこともありますが、その行為は水中の捕食者に狙われやすいため、空中で過ごす時間の方が長いようです。

花から花へ何度も着地するハチの羽

アホウドリの大きな翼とは異なりますが、ハチの羽の形や構造について何か気づいたことはありますか?

ハチの羽はより短くてずんぐりしていますね。

アホウドリがジャンボ ジェット機のように長い距離を飛ぶのに対して、ハチは市バスのように何度も停車します。

ハチは、できるだけ多くの花を訪れ、近くにある花から花へ飛び交いながらたくさんの花粉と蜜を集めるのに適した羽をもっているのです。

水中飛行に適したペンギンの翼

では、ペンギンはどうでしょうか?

ペンギンは鳥であり、翼を持っています。

しかし、翼を使って空を飛ぶことはありません。

ペンギンの食べ物は魚なので、翼を使って水中で体を動かして食べ物を捕まえる必要があるのです。

科学者は、ペンギンが空を飛んでいる他の鳥と同様の方法で、翼を使用して水中を滑らかに移動していると考えています。

翼がボートを漕ぐオールのように平らで、その形や構造はペンギンの体を水中で移動するのに適しているのです。

飛ぶための翼の役割

このように、生き物は、食べ物を得るために体をさまざまな方法で動かさなければならないので、それを助けるためにさまざまな種類の翼を持っています。

動物はそれぞれが生育する環境から必要なものを手に入れるために翼を役立つ構造に進化させてきたのです。

参照元:
How Animals Fly! | Airplane Science
Albatrosses
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