電気ウナギの狩り「電気ショック」の秘密に迫る

電気ウナギの攻撃から生き残る方法はあるのか?動物・生き物

電気うなぎが、なぜ、どのようにして電気ショックを与えるのか、また、彼らの攻撃によって、獲物はどのような影響を受けるのかについて体の仕組みをもとに紹介します。

アマゾンの熱帯雨林に生息するこの生物は、獲物を噛んだり刺したりする代わりに、最大600ボルトの電気を放出します。

さらに恐ろしいことに、電気ウナギは、水から飛び出して獲物を襲うこともあるのです。

電気ウナギは陸にも上がれる

電気ウナギは、空気呼吸を併用する魚なので水から脱走できます。

獲物が池の外に立っているだけで、それを見た電気うなぎが水から飛び出て襲い掛かってくる可能性があるのです。

加えて電気ウナギは、怖がりの小心者だと考えられています。

そうです。小心者であるがゆえに、電気ウナギは自らの危険を察知したり、目の前の物を食べ物だと認識したりすると、水中から飛び出して電気ショックを与えることができるのです。

電気ウナギは空気呼吸ができる

それは、水の中にいるときよりもさらにパンチ力が効いています。

それが、電気ウナギの池に入る前から注意が必要だといわれる理由。

電気ウナギがどのように電気ショックを与えるのか?

基本的に、電気ウナギは人間を獲物にすることはなく、あなたが日常生活で恐れる心配はありません。

しかし、彼らが人間に脅威を感じたり、人間を食べ物だと誤認したりした場合は、間違いなく電気ショック攻撃を与えてくるでしょう。

それでは、電気ウナギの攻撃について、平均的な大きさのプールに電気ウナギを1匹入れたケースで考えてみましょう。

電気ウナギの体の仕組み

電気ウナギが電気をつくる仕組み

まず、あなたが水に入るとすぐに、電気ウナギは、体内にある3つの電気器官を使って放電し始めます。

これらの器官は、個々がバッテリーのように働く特殊な電気細胞が鎖のように長く連なることで、電圧を高めることができます。

電気ウナギはこの器官を使って、獲物にショックを与えるだけでなく、ナビゲーションやコミュニケーションなどを行っています。

周辺に微弱な電流を発生させて、自らの電場を作りながら、周囲の障害物や獲物の位置などの情報を得ているのです。

つまり、最初の電気ショックは、あなたの位置を特定するために使われます。

電気ショックによる影響

電気ウナギによる電気ショック

小型の電気ウナギであれば、最初の攻撃(微弱な電気ショック)にチクッとしますし、筋肉が痙攣することもあるでしょう。

電気ウナギは、それによって獲物が水しぶきを上げることを期待しています。

その方が、獲物を見つけやすくなるからです。

獲物の位置が分かると、ウナギは2回目の電気ショックを与えてきます。

2度目の電気ショックは、600ボルトに及ぶこともあります。これは、日本で使われているコンセントの電圧の6倍に相当します。

この電気ショックによって命を落とさない可能性はありますが、致命的な結果を招くでしょう。

まず、筋肉のコントロールを失います。それは、ほ乳類の筋肉は電気刺激によって筋収縮が促されているからです。

電気の刺激が強すぎると、体の主要な機能が失われてしまうだけではなく、強い痛みを伴った筋収縮が起こった結果、気絶してしまうこともあります。

そして、そこは池の中。つまり、気絶するとそのまま溺れてしまう可能性があるのです。

もしその前になんとか外に出られれば、助かるかもしれません。

しかし、このような衝撃を受けた場合、数ヶ月後、あるいは数年後に火傷や傷跡が残ったり、さらには筋肉が痙攣したりといった影響が後から出ることもあります。

電気ウナギは仲間同士で仲が悪い

電気ウナギの電圧

これは、1匹の電気ウナギによる致命的な攻撃の結果です。

もし100匹の電気ウナギの池に飛び込んだらどうなるのでしょうか?

飛び込んだ瞬間、即死で。

それは、電気ウナギ同士の相性が悪いからです。

小さな水槽にたった2匹入れただけでも、お互いに叩いて攻撃し合って電気ショックを与えてしまうのです。

もし、平均的な大きさのプールに100匹の電気ウナギを入れようとすると、水の中は魚の叩き合いと数千ボルトの電気の嵐で満たされることに。電気ウナギの池に近づかないことが賢明でしょう。

平均的な電気ウナギは、体長が1.8メートルから2.5メートルに及び、重さは20kg。

彼らの体は、80%が6000の特別な細胞をもつ電気器官からなり、860ボルトを蓄えられることが分かっています。

先述した通り、彼らは基本的に単独行動を好むため、仲間と出会うとお互いに攻撃しあいます。

電気ウナギのアンペア数は低いので、命は助かるかもしれません。しかし、数匹に襲われたらどうしようもなくなるので、とにかく水から出ないことには厳しいでしょう。

電気ウナギの目はほとんど見えていません。

目の代わりに電場を作り出して獲物を感じ取るのです。

つまり、獲物が慌てて水しぶきを上げて逃げることは、残念ながら自分の場所を教えているようなもの。

そして、怖ろしいのが電気ウナギの尾最も強力な電力を持った危険な部位です。

参照元:
How To Survive an Electric Eel Attack
What If You Fell Into a Pool of Electric Eels?