なぜ人は蚊よりも50,000倍殺される可能性が低いサメの方を恐れるのか?人間にとって最も危険な生物ランキング

2019年8月 9日

地球上で最も人間を殺す危険な動物は何だと思いますか?

おそらくほとんどの人が、ライオンやサメ、ワニだと答えるかもしれません。

しかし、それらの生き物は、私たちの身近にいる犬や牛、シカなどの動物に比べると、あなたを殺す可能性は低いようです。

危険をどのように定義するかにもよりますが、毎年、動物によって殺される人の数でみた場合、人間の脅威となるのは、思った以上に身近な動物なのです。

たとえば、アメリカで人間を襲うこともあるという野生の大型肉食獣、ピューマに関しては、5年から10年の間に1人の被害者が出る程度の脅威に過ぎません。彼らは、人間よりも、シカやタヌキといった獲物を追いかける可能性の方がはるかに高いためです。

実のところ、人間を死に至らしめる危険生物に関しては、大きさが全てではありません。

ここでは、地球上で人間を殺す危険生物のトップ10について、動物に殺される人間の数をもとに紹介します。

アメリカで最も危険な生き物トップ10

アメリカでは、意外な生き物がトップ3にランクインしています。なかでも1位には、人間を攻撃しないはずの動物の名前が挙がるので、驚く人も多いかもしれません。それでは下記に、危険性の低い生き物から順に紹介していきます。

10位 サソリ

アメリカには、70種以上のサソリが存在し、それらは約2年半ごとに平均1人の命を奪っています。

なかでもアリゾナ州とニューメキシコ州にまたがって生育するアリゾナ・バーク・スコーピオン(Arizona bark scorpion)ほど危険なものはありません。

それは、数あるサソリのなかでも、致死率の高い有毒な毒液をもつ30種に指定されたものの1つです。

次は、映画「ジョーズ」でもおなじみで、おそらく最もよく知られる凶暴な殺人生物、サメです。

9位 サメ

世界では、2007年から2018年の間に、920件におよぶサメの攻撃被害があり、その半数以上がアメリカの海域で発生しています。

しかし、実際には、サメによる攻撃を受けた人のほとんどが致命傷にまではいたらず、平均して1.7年に1人が命を落とすのみにとどまっています。

実際には、水中において、サメより致命的な攻撃を与える捕食者がいます。鋭い歯をもつ爬虫類、ワニです。

8位 ワニ

彼らは、テキサスからノースカロライナにかけて生育し、2年で平均3人を殺します。なかでも有名な被害は、2016年にディズニーワールドのホテルの池近くで遊んでいた少年が命を落とした事件です。

しかし、ワニでさえ、クマほど危険ではありません。

7位 クマ

アメリカにおいてクマは、アラスカから森林に覆われた地域の大部分で生息し、一年に1人から2人の命を奪っています。

そして、1900年以降に人間を死にいたらしめたクマ被害の半数近くが、6つの森林公園(イエローストーン国立公園、グレイシャー国立公園、フラットヘッド国立森林公園、チャガック州立公園、スプルースノブ・セネカロックス国立保養地、アークティック国立公園保護区)のうちの1つで発生しました。

しかし、200キロのクマでさえ、致死率の高さではクモには勝てません。

6位 クモ

クモによって失われた命は、年間約7人。

そして、これらの死に関わる強い毒をもつクモは、背中の砂時計模様が特徴的なクロゴケグモとドクイトグモのたった2種によるものだと考えられています。

クロゴケグモの生育地はアメリカ全土に広がっており、ドクイトグモは主に中西部から南部に生育しています。

これらは、身近なところで地下室、靴の中、そして、岩場やマルタ木などに潜んでいます。

5位 ヘビ

アメリカには、約20種の毒ヘビがおり、アラスカを除くすべての州に生育しています。

毒ヘビのなかでもアメリカ東部に生育する赤褐色のアメリカマムシは、咬傷事件が多く発生しています。

しかし、最も注意すべきは、東部や西部に生育し、背にダイヤモンド形の紋様のあるガラガラヘビ。アメリカでは、ヘビによる死亡事故のほとんどがこのガラガラヘビの咬傷によるものだといわれています。

細胞を破壊したり神経に影響を与えたりする毒液を注入するヘビは、平均して年間10人から15人の命を奪っています。

さて、問題です。クマやクモ、ヘビよりも怖い危険生物は何だと思いますか。おそらくその生き物は、あなたの想像とは違うでしょう。

答えは「牛」です。

4位 牛

アメリカでは、牛に蹴られたり踏みつけられたりした人が、毎年20人ちかく命を落としています。そして、それらの事件の約4分の3が、牛が意図的に攻撃したものだと示されています。

ここからは、トップ3の動物になります。

3位 犬

人間を殺す危険な動物第3位は犬です。犬は、年間約30人の命を奪います。

アメリカではその半数が、ピットブル と呼ばれる闘犬用に改良された犬種によるものですが、世界では狂犬病による被害がほとんどだといわれています。

2位 人をさす昆虫

年間約100人がハチのように人をさす昆虫に刺されたことで命を落とし、多くの場合、それは昆虫を原因として生じるアレルギー反応によるものです。

特に恐ろしいのは、「キラービー」と呼ばれる非常に攻撃的なミツバチ。彼らは、巣を刺激されたり、なんらかの邪魔をされたりすると、群れで襲い掛かり、人を1000回以上刺すこともあります。死亡例が多いために恐れられているのです。

キラービーの正式な名前は「アフリカナイズドミツバチ」。1950年代に、人間が養蜂目的で、人工的な交配によって作り出した新種のハチです。予想以上に凶暴性が高かったために危険視されたハチが、研究室から人為的なミスによって逃げ出してしまったものです。

野生に放たれたアフリカナイズドミツバチは、瞬く間に広がっていきました。近年は、凶暴性が低くなってきたともいわれています。

1位は、意外にも毒性のない動物です。一般的には、人間を攻撃しない「シカ」です。

1位 シカ

毎年約130万件の自動車事故がシカを原因としたもので、そのうち約200件で人の命が奪われています。

しかし、すべてを総合して考えても、あらゆる種の動物を原因として致命傷となる確率はわずかです。

私たちが、凶暴だと考えていた動物たちは、実際に人を殺すこともありますが稀なケースで、アメリカの主要な死因と比較しても、取るに足らないほどの心配要因であることが分かります。

そして、危険生物が人を襲うようになったのは、人が彼らの生活に踏み入ったことが大きな要因となっているようです。

世界全体でみた「人間の命を奪う最も危険な動物」

ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、死亡者の数を視覚化して統計をまとめた「人間の命を奪っている世界で最も危険な動物」を発表しました。

2015年に発表された改訂版では、サメ6人、オオカミ10人、クラゲ40人、トラ50人、ハチ60人、ライオンとゾウ100人、カバ500人、ワニ1000人、サナダムシ(寄生虫)1600人、回虫(寄生虫)2700人、サシチョウバエ3500人、サソリ3500人、淡水産巻貝4400人、オオサシガメ8000人、犬17400人、サシチョウバエ24200人、ヘビ60000人に対して、年間58万人という圧倒的な大差で人間が危険生物の第2位にランクインしています。

縄張り意識の高いカバやワニ、ライオンといった動物界の王よりも、紛争や喧嘩などによる人間同士の争いで命を落とす人の方が多いことは非常に驚くべきことかもしれません。

そして、さらに上をいく生物が「蚊」です。蚊は、サシガメやハエと同様に、吸血行為によって寄生虫や感染症といった壊滅的な病気を媒介することができます。

年間83万人もの人が、蚊を原因とした病気で命を落としているのです。

最悪な事態はマラリアです。世界では年間で2億人近くが感染し、60万人が死亡しています。子どもは毎日1分おきにマラリアで亡くなっています。その他にも蚊が媒介する病気には、デング熱や黄熱病、脳炎などが含まれます。

蚊は、2500以上も種類があり、南極を除く世界のあらゆる地域に生育しています。繁殖期のピーク時には、シロアリやアリを除いて、地球上に存在するすべての動物の数を上回ります。

彼らは、パナマ運河の建設中に何万人もの死者を出したほどで、海岸から人々を内陸においやり、地域別の人口パターンにも大きな影響を与えてきました。

最後に

ビル・ゲイツ氏は、次のように言っています。

2015年には、150万人以上が動物に殺されました。 それは、昨年のエイズ(HIV)、または、糖尿病で亡くなった人とほぼ同数です。

アメリカでは、毎年10人にも満たない死亡者を出すサメについて、映画をはじめ、ディスカバリーチャンネルの「シャーク・ウィーク」のようなテレビ番組でも放送時間が費やされています。

なぜ人々は蚊よりもサメを恐れるのでしょうか?故ハンス・ロスリング氏は、人間は身体的危害を引き起こすものを恐れることに固執していると主張。

サメよりも蚊に殺される可能性が50,000倍高いことを知ってもなお、人間の本能が勝つのです。

しかし、世界の他の地域では、深刻な病気を運ぶ種の蚊に家族の生活が脅かされているのです。

そのため、どんな凶暴な肉食動物よりも、小さな虫を恐がるべき理由についてゲイツ氏は、「モスキート・ウィーク」で言葉を広めることを決心したようです。

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