動物はどのようにして移動の時期を知るのか?

渡り鳥は移動のタイミングをどうやって知るのか?動物・生き物

移動する動物にとって、いつ旅立つかという微妙な計算は、直接の死活問題になります。

タイミングを間違えば、目的の繁殖地についてもまだ気温が低く、エサが乏しいこともあり得るからです。

そのため、渡り鳥の多くは、一日の光の長さ(光周期)を脳(光受容体)が感知して移動のタイミングを計っていると考えられています。

それは、まるで人間の体内時計のようなものです。

日が長くなり、冬の終わりを光受容体が感知すると、身体システムの活動にスイッチが入り、毛の生え変わり、ホルモンや内分泌システムの変化、食欲の増進などが起こり、再び戻るために飛び立つ準備を始めるのです。

以下に、動物がどのようにして移動の時期を知るのかについてさまざまな動物を例に紹介します。

動物の移動とは

毎年、陸や海、空を通って膨大な距離を移動する動物たちがいます。

移動とは、動物が、食料や繁殖などの必要性に応じてより良い環境を求めて生息地を移動することです。

これらの動物たちには、主に2つの行動パターンがあります。

・季節ごとに移動して、一定サイクルで帰ってくる移動
・新しい定住地を求めて、生存のために必要なときだけ移動

そして、このような動物たちは以下のようなさまざまな環境条件から移動のタイミングを知ると考えられています。

日の長さで移動時期を知る

まず、ある種の動物は日の長さを測って移動の時期を決めます。

日が長くなるか短くなるかによって判断するのです。

この主の動物たちは、日照時間の変化を手がかりに、どの季節が近づいているかを把握し、それに基づいて移動を決定することができるのです。

北アメリカには、約900種の鳥の75%が渡り鳥だといわれ、毎年冬が近づくと、北国から暖かい地域に移動します。

渡り鳥のように渡りをする昆虫もいます。

オオカバマダラと呼ばれるチョウは、冬が訪れる前に、カナダからメキシコまで数百万匹が5000kmもの距離を移動します。

冬を越すために気温で移動時期を知る

身の周りの気温を感知して移動の時期を決める動物もいます。

気温によって季節の到来を察知し、それに基づいて移動を決定するのです。

食料を求めて移動

ある種の動物は、その地域の餌の有無によって移動の時期を決めます。

餌が少なくなってくれば、餌の豊富な場所に移動するのです。

たとえば、タンザニアのセレンゲティ国立公園では、毎年7月頃になるとヌーが、ケニアのマサイマラ動物保護区に向けて大移動し始めます。

雨季が終わって乾季が始まる7月から9月頃にかけて、130万から150万頭ものヌーが、草を求めて1,500km近く移動し、再び雨季が始まる頃に同じ距離を移動して戻ってきます。

ザトウクジラも夏になると、オキアミや小魚が豊富なエサ場を求めて北へ移動し、冬には出産や子育てのために暖かい海に戻ります。ザトウクジラも一年に数千kmもの距離を回遊します。

サケのように、エサを求めて成長するために海へと移動し、数年を過ごした後、産卵のために再び生まれた川に戻る種もいます。

移動のタイミングを計る

多くの動物は、天候や食料などの条件によって、なんらかの生理学的な変化が体に起こり、実際に移動が必要となる前に渡りの時期を知ることができると考えられています。

一定サイクルで移動する動物は、進化のなかで、移動距離や出発のタイミング、再び戻る時期といった移動パターンが遺伝的に身についてきたようです。

なかには、目的地への到着のタイミングを計って、天候応じて移動速度を調節する動物も観察されています。

それに対して、必要なときだけ移動する動物は、気象条件やエサの有無から、耐えられそうなら移動しないというように、環境要因を手がかりにした個人的な判断で移動を決めることもあります。

このように、一言で移動といっても、動物の種によって、または、同じ種でさえ個々でタイミングや時期にも違いがあるようです。

参照元:how to animals know when to migrate?