イルカは、寝ているとき、左右の目を交互に閉じて、左右の脳で覚醒と睡眠サイクルを繰り返しています。
この半分ずつの脳を休ませる睡眠スタイルは「半球睡眠」と呼ばれ、鳥やイルカに見られる睡眠戦略のひとつで、寝ている間でも周囲を警戒できるようにしているのです。
以下に、イルカが泳ぎながらどのように眠っているのかについて見ていきましょう。
イルカは片方ずつ目を閉じて眠る
イルカは、私たちと同じ哺乳類で、同じように鼻孔(イルカの場合は頭の上にある噴気孔)を使って、肺呼吸をしています。
肺呼吸の場合、水中では呼吸ができないので、必要に応じて、鼻の穴を水から出して呼吸をしているのです。
同時にイルカは、天敵から身を守るためにいつも周囲を警戒する必要があります。
寝ているときも例外ではなく、泳ぎながら片目ずつ目を開けて眠るのです。
半球睡眠
イルカの目は、右目は左脳、左目は右脳というように、左右の目がそれぞれ反対側の脳につながっています。
眠っている間、イルカは、片方の目を閉じて片方の脳を休め、その間、もう一方の脳は、呼吸のような身体機能を維持し、捕食者を警戒するために覚醒しているのです。
寝ているときも周囲を警戒することで、なんらかの身の危険を感じるとすぐに行動できるようになります。
このようにして、イルカは、左右交互に目を2時間から4時間のサイクルで閉じる「半球睡眠」によって、脳を片方ずつ休ませているのです。