左右に機敏に方向転換するウサギをつかまえたいなら、あなたはどう戦略をたてますか?
2匹ではうまくいきません。そこでオオカミが考え出した頭脳プレーとは?
以下にエサを満足に食べられない北部地帯で、オオカミの群れ「ウルフパック」が、頭を使って巧みに狩りをする様子を動画とともに紹介します。
オオカミは、通常「パック」と呼ばれる結束の固い群れを作って、仲間で助け合いながら子育てをしています。
狩りの成功は、そのまま次の世代へ命をつなぐことを意味します。
しかし、寒さの厳しい北の地方では、肉食のオオカミが、子供の成長を維持したり、群れ全体を食べさせたりするには食料があまりにも乏しいのです。
そこで重要となるのが獲物の大きさだと考えられています。しかし、実際にはなかなか。
オオカミの狩り
狩りを成功させるどころか、獲物を見つけるのさえ難しい地域では、オオカミは、群れのために、仲間で親密にコミュニケーションを図って、できるだけ大きな獲物を狙う必要があります。
オオカミの群れが、仲間とコミュニケーションをとるうえで重要な手段のひとつが「遠吠え」。
以下の動画でも、狩りの合図とされる遠吠えを皮切りに、群れが一斉に走り出します。
平原では、たとえオオカミが鋭い感覚で獲物を察知したとしても、遠くにいる獲物もまた捕食者に気付きやすいという問題があります。
獲物が、信じられないほど機敏で、時速60kmのスピードで走るウサギのような動物であった場合はさらに問題です。
そこでオオカミは見事な頭脳プレーを見せます。
オオカミの頭脳プレー
どうやらオオカミたちは、単独で襲いかかるとしとめられない獲物でも、集団で狩りをすれば成功しやすいことを知っているようです。
まずは、ペアのオオカミがウサギを狙い、そのうちの一匹が、ウサギのしっぽにかみつきます。
しかし、ウサギは、捕まりそうになるたびに、左右に機敏に方向転換するので、毛だけを残して逃げ惑います。
何度もつかまりそうになりながらも、とうとうウサギは、オオカミの攻撃から身をかわして逃げ切ってしまいました。
次は、群れ全体の4匹で挑みます。足で負けるなら、数とチームワークで勝負です。
群れでの狩りの仕方
先頭の1匹がどんどん加速していき、ウサギを追い詰めると、残りの3匹のオオカミは、左右から追い込みます。
それによって、ウサギは、左右への方向転換が難しくなり、とうとう捕まってしまうのです。
なんという頭脳プレーでしょう。オオカミの群れは、得意な持久戦と巧みな頭脳プレーで、見事にウサギを包囲し、狩りを成功させたのです。
されどウサギ1匹では、残念ながら群れ全体のおなかを満たすことは難しいようです。
ウルフパックについての動画
オオカミに関わる豆知識
第二次大戦下に、ドイツやアメリカの海軍が取り入れていた作戦で、敵の船を複数の潜水艦で攻撃したものを「ウルフパック(群狼作戦)」といいます。