なぜ冬眠する生き物がいるのか?冬眠のおもしろいメカニズム

2017年11月20日

秋が深まり、日に日に寒くなってくる季節。それは、たくさんの生き物たちが長い長い休息「冬眠」をしなければならない時期を意味します。

生き物たちはなぜ、一度に何か月間もの間、眠り続けなければならないのでしょうか?冬眠にむけてどのような準備をし、眠っている間の体はどのようになっているのでしょうか?

ここでは、生き物の冬眠メカニズムについて、生態学をもとに分かりやすく紹介します。

生き物が冬眠する理由

ウッドチャックは、草食性で体長50cmほどの小さなほ乳類です。リス科のなかでは最大級といわれ、ずんぐりした体のわりに尾は短く、後ろ足で直立する姿が特徴的。北米大陸やカナダに広く生息し、地面に掘った巣穴でほとんどの時間を過ごしています。

彼らは、冬眠の時期が近くなると、冬越し用の巣穴を掘って、中の温度や環境を快適にするための準備をします。

冬眠とは、いわば私たち人間の睡眠とは比にならないほどの深い眠りです。動物たちは、春がやってくるまでの間、数ヶ月もの間、眠り続けます。眠たくなったから寝るのではなく、寒い冬を生き延びるための手段なのです。

動物が生きていくためには、たくさんの食べ物が必要となります。しかし、寒い冬になると、雪が降り、葉が木から落ち、果実は成長を止め、虫は消えるなど動物が好んで食べるような食料は姿を消してしまうため、数ヶ月もの間、空腹で過ごさなければなりません。

飢えを避けて生き残るために、いくつかの動物や鳥は、冬になると、食べ物を求めて暖かい地へ移動します。

しかし、ウッドチャックのような動物は、他の地に移動することも、冬に向けて十分な食料を蓄えることもできないため、冬眠する必要があるのです。冬眠中は、比較的安定した温度を保つ地中深くで眠り続けるため、地表が凍り付いたとしても、食べ物がなくても大きな問題にはなりません。

冬眠に向けての準備

生き物は、冬眠の準備に、長い時間を費やします。

たとえば、ウッドチャックは、冬眠前の数週間は、可能な限り食べることに多くの時間を費やします。食べ続けることで、分厚い体脂肪を蓄えて、体を一回り大きくします。そして、冬眠の季節になると、地中深くの穴に入り、体を寄り添わせて眠りにつきます。

眠っている間、体は休息していますが、肺では呼吸をし、心臓は、血液を体中に送り続けています。冬眠の間は、肺や心臓の機能を正常に保つために、冬眠前に数週間かけて体内に蓄えたエネルギーが使われています。

しかし、眠りが非常に深いので、心臓の鼓動は毎分たったの5回だけ。呼吸は1分間に2回しか行いません。それによって、消費エネルギーを最小限に抑えているのです。

ウッドチャックの体は、冬眠中にエネルギーをあまり使わないため、毎日目を覚まして食事をする必要がないのです。

そして、春がくると、目を覚まして再び食べ物を求めて動き出します。

冬眠する動物たち

冬眠をする動物はたくさんいますが、冬の越し方はさまざまで、ウッドチャックのように真の冬眠をする生き物は少なく、冬眠中にときどき目を覚ましては食事と排泄を行う生き物の方が多いようです。

コウモリやシマリス、ハリネズミなどは、冬眠にむけてまるまると太ることはありませんが、代謝や体の機能を低下させて冬を越す準備をします。

コウモリは、寒くなってエサが乏しくなってくると、冬眠に向けて、徐々に代謝を下げ、体温を低くした後、洞窟のような大きなコロニーにたくさん集まって、暖かさを分かち合いながら冬を越します。

シマリスは、寒さの厳しい冬を乗り切るために、脳が冬眠に向けて指令を出すことで、心拍数や酸素消費量は下がります。呼吸数は2分に1回程度となり、体の放熱を防ぐために血管は収縮し、体温は3度近くも下がります。

カエルは、体温を仮死状態になるまで下げて冬眠します。