チョウチョ(蝶)の羽は、2つの色源から色を得ています。
一つ目は色素、そして、構造的な要素。あるいは、その2つの組み合わせによるものです。
以下に、チョウの羽が青や緑、黄色っぽく見えたり、虹色に見えたりする理由について分かりやすく紹介します。
色素
色素は、自ら光を放つものではなく、クレヨンや色鉛筆のように光を吸収、反射、透過させることで着色します。
これらの色は、メラニンなどの化学的色素に由来し、特定の波長の光を選んで吸収する一方で、他の波長の光を反射して色を変化させます。
チョウは、この色素の量や密度の違いによって、色の強弱を作ることができるのです。
ちなみに、メラニンは私たちの肌の色にも関係している色素です。
光の干渉によって輝く構造色
第二に、チョウの羽の虹色に起因する構造色です。
構造色は、鳥の羽にもよく見られます。
蝶の羽は、何千もの透明で微細な形状をもつ鱗片(体表面にあるうろこ状の構造物)でできています。
鱗片は、毛が変化したものだといわれ、それぞれの鱗片は空気で仕切られた複数の層を持っています。
光がこれらの鱗片を通過するとき、何度も反射する構造となっているのです。
これらの反射は互いに影響し合い、鱗粉に含まれている色素の色を強めます。
そのため、翼に入射する光の角度や強さ、または、私たちがどの角度から見るかによって、光の反射の仕方が異なり、青や緑、黄色っぽく見えたり、あるいはそれら3色の組み合わせで虹色に見えたりすることもあるのです。
このようなチョウの色素や構造は、遺伝子によって決められたタンパク質によって作られています。