レントゲン撮影に使われるX線は、とてもエネルギーの高い電磁波で、いろいろな物体を通り抜けることができます。
このX線は、ヴィルヘルム・レントゲンという物理学者によって偶然発見されました。
当初、レントゲンは、X線が何なのか分からなかったので、「X線(未知の線という意味)」と名付けます。
以下に、レントゲン撮影において、X線がどのような働きをして骨を写しているのかを見ていきましょう。
X線とは
X線は、エネルギーの高い電磁波です。
私たちが目で見ることのできる光(可視光線)も電磁波の類です。
X線は、光よりもはるかに運動エネルギーが高く、物体を通り抜ける(透過)力の強い電磁波で、放射線と呼ばれます。
私たちの目には見えず、感じることもできません。
X線が骨を写す仕組み
しかし、X線は、物体の密度が高ければ、吸収されてしまい、通り抜けることができません。
この性質を利用して、X線は骨折を発見するのに使われています。
レントゲン撮影では、X線が体内を通過するとき、X線からのエネルギーは体のさまざまな部分でさまざまな速度で吸収されていきます。
そして、体の反対側にある検出器が通過後のX線を拾い、画像に変換しています。
私たちの皮膚や筋肉、臓器などはやわらかくて十分な密度がないため、X線の多くは簡単に組織を通過します。その結果、半透明な暗い影や灰色の影として写るのです。
一方で、骨は密度が高いため、X線は吸収されて透過できずに、画像には白い領域として表示されます。
このため、医師は骨の構造を見て、骨折を発見することができるのです。