ここでは、ミステリアスなハンター「フクロウ」のユニークな生態について、首がどれくらい回るのか、音をたてずに飛べる理由、エサの食べ方、多彩な泣き声などを中心に紹介します。
フクロウは、南極大陸を除くすべての大陸に生息する夜行性の猛禽類です。
世界には200種類以上のフクロウがおり、種によって違いはありますが、以下のようにいくつかの重要な特徴をもっています。
首をどれくらい回転できるのか?
フクロウは、鋭い爪と鉤状のくちばしを持ち、頭はほとんどどの方向にも回転することができます。
彼らの面白いところは、眼球を動かせないこと。
そのため、視野は狭く、真正面にある物以外は、首から頭全体を回転させなければ見ることができないのです。
首の柔軟性をつくる要素は骨にあります。
フクロウの首の骨の数は、人間の倍の14個もあり、その骨を使って左右に270度も回転できる仕組みになっているのです。360度とまではいきませんが、人間の約3倍に相当する首の可動域です。
静かに飛べる理由
フクロウのやわらかくて大きな翼は、ハンターとしての最大の強みである「静かな飛行」を可能にしています。
ほとんどの鳥は、飛ぶときに音を立てて羽ばたきますが、フクロウの羽はビロードのような柔らかさで覆われているため、音を吸収し、獲物に気づかれないように静かに飛ぶことができます。
また、「セレーション」と呼ばれる風切羽の細かなギザギザの縁取りも、乱気流の発生を抑えて、風の音を消す役割を果たしています。
獲物を丸呑みにする
フクロウには歯がないので、獲物を丸呑みし、毛皮や骨、爪などの消化できないほど硬いものを小さな塊にして吐き出します。
この口から吐き出された不要な物は、ペリットと呼ばれています。
実際に、フクロウが何を食べていたかといった生態調査や健康状態を調べるときに、このペレットが活用されているのです。
フクロウの子育て
フクロウの親は通常、ヒナの羽が生え揃い、一人で飛び立てるようになるまでは、ヒナを見守り、面倒を見ます。
親鳥は、餌を運んできては、ヒナが食べられるように肉を小さく裂いて与えます。
フクロウの子育て期間は、種類にもよりますが、孵化から巣立ちまでの数週間から数カ月くらいだといわれています。
最後に、フクロウの鳴き声は「ホーホー」というのが一般的ですが、実はいろいろな鳴き声があり、コミュニケーションの目的によって使い分けられているのです。
参照元:All About Owls