レーザーの光はどうやって生み出されるのか?

レーザーの光が生み出される仕組み身近なふしぎ

レーザーから放つ一筋の光は、とても強力ではるか遠くまで照らします。

ここでは、レーザーの光が、どのようにして生み出されているのかについて光の特徴やレーザーの仕組みをもとに紹介します。

レーザーを作るためにすべきことは、原子の集合体に十分なエネルギーを与えて(原子中の電子を)活発にさせ、光(エネルギー)を放つ準備をさせればよいだけです。

後は、以下のような仕組みで光はどんどん増幅されていきます。

レーザーの仕組み

レーザーの仕組み

光があたると原子の中にある電子は、光を吸収して、不安定な高エネルギーの状態になります。

すると、電子は安定した低エネルギーの状態に戻ろうと、エネルギーを光として放出します。

こうして原子の1つが自発的に発光すれば、他の原子もそれに刺激されて発光(エネルギーを光として放つ)し、見事な光の連鎖ができます(誘導放出)。

さらに、一度放たれた光をそのまますべてを四方八方に逃がすのではなく、2枚の鏡で挟むようにして光を閉じ込め、原子の間を行き来させる方がより強力です。

鏡の中を行き来する光が、周囲の原子を刺激してさらに発光させれば、原子は永遠に発光し続けることができるのです。

レーザーの光は位相やエネルギーがそろった光

原子の集合体に高エネルギー状態の電子が増えると、吸収される光よりも、放出される光の方が多くなります。

なによりレーザーの光の最大の特徴は、1つの光子が、光子を放出する準備ができた原子(エネルギーが高まって励起した状態)のそばを通り過ぎただけで、その原子が刺激されて光子を放出する可能性が高いということです。

これで、1つの光子は、2つの光子に増え、より強い光となります。

しかも、新たに放出されたの光子は、1つ目の光子がもつエネルギーや位相(いそう:周期的に運動する光の位置)、偏光(へんこう:規則的な振動方向)とそろっているため、光がぴったりと重なり合い、お互いに干渉しあいながら増幅していくのです。

このような誘導放出によって生み出されたレーザーの光子は、常にその他の光子と同じ状態になることを好み、同じ方向に進みたがります。

結果的に、ランダムに散らばる自然放出の一般的な光に比べて、一筋の鮮明な光が生み出されるのです。

このようにして鏡の間を仲の良い光子が飛び交うようになったら、最後に小さな穴を開けて、まばゆいばかりの一筋の光、つまりレーザービームを放つことができるのです。

参照元:How lasers work

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