宇宙は無音で、爆発音はしないと聞いたことがあるかもしれません。
たしかに宇宙で、目覚まし時計が鳴っても、サイレンが鳴っても音はしませんが、ある条件がそろうと風船が割れる音が聞こえるケースがあります。
では、宇宙でスター・ウォーズのデス・スターが爆発したとき、実際の様子や音はどうなるのでしょうか?
その音は聞こえるのでしょうか? 聞こえるとしたら、実際にはどのような音がするのでしょうか?
以下に、スター・ウォーズの戦闘音について、宇宙空間での音が聞こえる条件をもとに、物理学的に調査した動画を紹介します。
宇宙での戦闘音について物理学で解明
宇宙空間でのスター・ウォーズの戦闘が正確な物理学に基づいて行われた場合、実際にはどのような音になるのでしょうか?
まずは、そもそもなぜ音が真空の宇宙空間を伝わることができるのか考えてみましょう。
音は空間や真空を伝わらないという説は、ほぼ正しいのですが、100%正しいわけではなく、85%といったところです。
では、音が真空中を伝わるという残りの15%について説明するために、例を挙げてみてみましょう。
宇宙でベル、スピーカー音は鳴らない
ここに目覚まし時計、スピーカー、風船があり、それらはすべて真空中に置かれています。
目覚まし時計のベルが鳴っても、スピーカーから音楽を流しても、真空中では音は鳴りません。
このように、音の通り道となる空気や媒質がない状態では、スピーカーも鐘も音を出さないのです。
宇宙で風船の破裂音は鳴る理由
では次に、膨らませた風船を見てみましょう。
実際、この風船は真空中で破裂すると音を発します。
風船の端を拡大してみると、膨らんだ風船の中では気体の粒子が飛び跳ねており、外は真空です。
風船を破裂させると、ガスは真空中に四方八方に押し出され、その結果、毎秒500メートルというかなり速い速度でガス粒子が球状に伝播します。
近くにマイクがあれば、この粒子がマイクに当たって振動し、音が録音されます。
いわば、風船は真空を通して音を伝えるための媒体となる粒子を自らが提供しているのです。
スターウォーズのバトルの音
では、宇宙空間でのスター・ウォーズのバトルに話を戻して考えてみましょう。
ミレニアム・ファルコンで飛び回っているとき、レーザーをかわしても音は聞こえないはずですが、レーザー攻撃がタイ・ファイターにうまく命中して爆発すると実際には音が聞こえます。
これは、タイ・ファイターには音を伝える媒体となるかなりの量の空気と燃料が搭載されており、爆発したときに破片とともにそのすべてが真空空間に放出されたからです。
その結果、あなたの船は高速の原子、分子、破片の弾丸を浴びることになり、この弾丸の力が船の外側に加わり、内側で音が発生するのです。
あなたの船を襲う粒子の数と力、つまり、爆発の大きさは、爆発源からの距離と放出されるエネルギー、質量によって劇的に変化します。
というわけで、宇宙空間でのスター・ウォーズの戦闘が正確な物理学を反映していたらどんな音になるかに戻りましょう。
実際の音を再現した動画がこちらです。レーザーが当たって破壊されるときの「バン」、「バン」という音が聞こえます。
ちなみに、この音は宇宙空間にマイクを置いた場合のものです。
もしマイクがミレニアム・ファルコンの中にあったら、機内のエンジン音や無線通信、その他の内部音も聞こえるはずです。
いかがでしたか?
真空中で爆発したり風船を破裂させたりすると音が鳴るという現象は、その音源が音の通り道となる空気や媒質を自ら放出している場合であることが分かりました。
さらに、この音源からの距離や放出されているエネルギーによっても音がどのように聞こえるかは異なるのです。