いまだに宇宙人を見つけられない3つの理由

2018年9月10日

銀河系には、推定1000憶を超える惑星があり、そのどこかで宇宙人(地球外生命体)が生きていると信じられています。

しかし問題は、これほど宇宙人が存在する可能性が高いにも関わらず、私たちは宇宙人と接触できないどころか、彼らについてのヒントすら見つけられていないことです。

宇宙人の存在への矛盾に初めて疑問を投げかけたのが、物理学者であるエンリコ・フェルミでした。それ以来この矛盾は「フェルミのパラドックス」と呼ばれ、さまざまな科学者によって研究されています。

果たして宇宙人は本当に存在するのでしょうか?

彼らは、ただ私たちの近くに存在しないだけなのでしょうか?

それとも、実は既に地球にいて、正体を隠しているのか、または、人が見たり感じたりできない形態であるがために気づけていないだけなのでしょうか?

そういった疑問を探求するために、科学者たちは、まず、広く浸透している考え方の逆説となる「宇宙人はいない説」の証拠を考え出して、新たな視点で地球外生命体のナゾを探ってみることにしました。

ここでは、なぜ私たちは宇宙人を見つけることができないのかについて、現在有力とされる科学的な理論を中心に分かりやすく紹介します。

宇宙人の冬眠仮説

2017年、オックスフォード大学のチームは、驚くべき新仮説を示しました。

それは、クマが冬を越すときのように、ほとんどの宇宙人が冬眠状態であるという理論(Aestivation Hypothesis)でした。

科学者たちは、先進文明と機械が結びつくと、想像以上のレベルで思考し、活動し、機能する完全にデジタル化された社会が形成されると考えています。

しかし、完全にデジタル化された社会には唯一の問題があります。

「冷却」です。

たとえば、地球上の情報処理システムは、今より10倍温度の低い環境下では、10倍も効率が上がります。つまり、環境の温度が高ければ、処理能力に必要な消費エネルギーが増えて最高のパフォーマンスを発揮できなくなるのです。

宇宙は、気体の膨張冷却と同じ原理で、膨張するときに分子間力に対してエネルギーが使われしまうと、温度を保つエネルギーを失って冷たくなります。ちなみに、現在の宇宙は、約マイナス270℃(2.7ケルビン)で、適切な処理システムに適した温度環境になるには、数兆年かかると予想されています。

そのため、高度な技術でデジタル化された宇宙人たちは、宇宙が膨張して冷却されるまでの数兆年の間、冬眠(機能停止)してその時を待っている可能性があるというのです。

そうして宇宙人たちは、過熱によるデジタルシステムの動作不良を防ぎ、銀河の征服といった重要な活動により多くの処理能力を効率的にそそごうとしているのかもしれません。

宇宙人はすでにこの世にいない説

2016年に提唱されたのは、ガイアのボトルネック仮説(Gaian Bottleneck Hypothesis)と呼ばれるものです。

10億年に満たない若い岩石でできた惑星の多くは、非常に不安定な気候を持ち、長い年月をかけて極端に温度が高くなったり、低すぎたりしていくため、生命体が住みにくい環境となります。

たとえば、金星、地球、火星でいうと、40億年前、各惑星には生命体が生存できる条件がそろい、単純微生物がいた可能性があります。しかし、私たちが知る限りでは、今では生命の存在が確認されているのは地球だけです。

ボトルネック仮説によれば、その理由は、地球で初期の生命体が急速に進化し、酸素のような大量のガスを大気中に放出したことが、最終的に気候を安定させるのに役立ったということです。

しかし、このような地球での現象は、通常には起こりえない例外的なことだといえるでしょう。

そのため、宇宙人を未だに見つけられない本当の理由は、彼らがすべて死んでいるからとボトルネック仮説では考えられてます。

しかし、仮に生命体のなかに、極端な気温の変動や放射線に耐えられ、地球とはまったく異なる環境で活動できる生命があればどうでしょう。

地球とは異なる環境でも生きられる生命体の存在

2017年に、惑星科学者のアラン・スターンが提唱した説は、地球とは性質の全く異なる環境に、新しい生命が存在する可能性でした。

それは、ちょうど冥王星の地中深くに凍らない海が隠されている証拠が示された一年後のことです。

実際に、冥王星やエウロパ(木星の第2衛星)、エンケラドゥス(土星の第2衛星)のような世界では、完全に氷で覆われた地下の広大な海が、極端な気温変化や惑星を直撃する高エネルギーの放射線から守り、特定の生命体にとっての優れた細胞培養体(インキュベーター)となっている可能性はあります。

それが事実であるとしたら、これらの世界で泳いでいる知的生命体がいたとしても、彼らは宇宙から完全に遮断されており、通信することさえできない可能性があります。

ゆえに、人類が、宇宙探査機等の最新科学をもってしても、宇宙人との通信どころか、見つけられてもいないというわけです。

最後に

銀河系が生まれたのが130億年前だとすると、地球の年齢が40億歳であることを考えると、過去には地球以外にも生命が誕生するチャンスはたくさんあったはずです。

それにもかかわらず、人類が、宇宙探査機等の最新科学をもってしても、宇宙人との通信どころか、見つけられてもいないのは不思議で、「フェルミのパラドックス」については、科学者は、本当にさまざまな仮説をたてています。

まるでSF世界ですが、仮に、太陽のように自らのエネルギーで光る「恒星」をすっぽり覆って全てのエネルギーを利用した人工的な構造物(ダイソン球)をはじめ、銀河のすべてのエネルギーを使える文明が存在したとしたら、どうなるのかを仮想した理論もあります。

その説によると、彼らが1000年乗れる宇宙船を作り、惑星を植民地化していくと、200万年で銀河全体を支配できるといわれています。

200万年は、長い時間ですが、宇宙からすれば一瞬です。

さて、ここでは「フェルミのパラドックス」について、主に3つの興味深い新説を紹介しましたが、納得できる説はありましたか?

理由が何であれ、科学者たちは、人類史上最も偉大な「宇宙人(地球外生命体)についての発見」を生むために、従来の考え方を変えて、調査方法を改善しながら今も研究を続けているようです。

その他の参照元:
1,New Horizons' Extreme Close-Up of Pluto's Surface (no audio)
2,Aestivation hypothesis
3.The Fermi Paradox