おおいぬ座は、北半球では冬の時期に最もよく見えます。
シリウスとして知られる明るい星があるため、見つけるのは簡単です。
ここでは、「おおいぬ座」といわれる冬の星座について、他の星へもつながる見つけ方など、冬の空を満喫できる楽しい知識を紹介します。
おおいぬ座を見つけられると、夜空で最も明るい星「シリウス」をはじめ、太陽の1400倍以上もある恒星「おおいぬ座VY星」を探したり、そこから冬の大三角形、冬のダイヤモンドなど他の天体を見つける手がかりにもなります。
天の川もおおいぬ座の一部を通っているので、この星座で興味深い天体を見つける絶好の機会です。
おおいぬ座とは
おおいぬ座は古代の星座ともいわれ、最も古い記録は古代メソポタミアにまで遡ります。
2世紀にはプトレマイオスが作成した星表「トレミーの48星座」に含まれ、もちろん現在の88星座のひとつでもあります。
シリウス
シリウスは、冬の大三角のひとつで夜空で最も明るく、地球からの距離が近いため、おおいぬ座を見つけるのに役立つ目印となります。
まず、おおいぬ座を見つけるには、オリオン座の3つのベルトの星々の延長線上に降りてみてください。夜空に一際輝くシリウスがあります。
星座は、他の星座を識別するのに役立つパターンであることを覚えておいてください。
シリウスは、冬の大三角のひとつで、オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンが含まれます。
この星座に関連する伝説をいくつか調べてみましょう。
おおいぬ座に関する伝説
星の伝説は文化や場所によって異なるため、どの星座にも本当の星座物語は存在しません。
なかでもおおいぬ座の伝説は特にたくさん見られ、ギリシャ・ローマ神話に登場するほぼすべての犬がこの星座と関係しています。
まず、空で近い位置にあるおおいぬ座とこいぬ座は、狩人オリオンの狩猟犬としてよく知られています。
その他にもおおいぬ座に関する伝説はたくさんあり、その1つは、狙った獲物を絶対に逃さない猟犬レラプスとして知られる神話上の犬に関するもので、レラプスは、ギリシャ神話の最高神「ゼウス」からエウローペーへの贈り物やプロクリスの猟犬としても知られています。ミノス王もかつてこの犬を飼っていました。
なかでもよく知られている物語の1つは、決して捕まらない運命をもつキツネに関するものです。
問題を起こしていたキツネをレラプスに狩らせようとしますが、結局決着がつかず、最終的にゼウスが、両方の動物を石に変え、レラプスだけを天に上げたという伝説です。
(かつては、ゼウスがキツネも天に上げ、それが今のこいぬ座だったという説もあります。)
おおいぬ座の見つけ方
これは国際天文学連合によって発表された公式の星のパターン、つまり星図です。
この星座の境界は1930年に指定されました。この星図を見ると、おそらくこの星図の中央近くにある大きな黒い点に気づくでしょう。
この大きな黒い点はシリウスで、この星がはるかに明るいことがわかります。
では、この星のパターンは、実際の写真ではどのように見えるでしょうか。
星座の星のパターンは、見ている本や参照元によって異なる場合があることに注意してください。
オリオン座の真下にうさぎ座、3つのベルトの延長線上におおいぬ座のシリウスです。どれかが見つけられれば、他の星座もそれをたよりに見つけやすくなります。
こちらは冬の夜空の別の写真です。
冬の大三角として知られ、最も明るい3つの星が三角形の形をしています。
そして、ここから私はいつも、おおいぬ座をみつけるときにシリウスの隣にある三角形(犬の頭)を探すようにしています。
シリウスは犬の心臓とも呼ばれています。
冬の大三角に気づいたら、それを構成する3つの星、プロキオン(こいぬ座)、シリウス(おおいぬ座)、ベテルギウス(オリオン座)のおおまかな位置が分かります。
シリウスは、冬のダイヤモンド(六角形)と呼ばれる別の星の一部でもあります。ただし、冬の六角形は広範囲にわたるため、見えない場合もあります。
もう一つ注目したいのは、天の川銀河です。
天の川の一部はおおいぬ座(Canis Major)を通っているだけでなく、ふたご座(Gemini)、ぎょしゃ座(Auriga)、ペルセウス座(Perseus)、おうし座(Perseus)のプレアデス星団(すばる)も見つけることができます。
最大級の恒星おおいぬ座VY星
おおいぬ座で知っておいてほしい星のひとつに、おおいぬ座VY星があります。この恒星は、今となっては肉眼では見えない星となりましたが、かつて天の川銀河で知られている最大級の恒星でした。
おおいぬ座VY星は、まれなペースで質量を放出し続けており、現在は既知の恒星の中で6番目に大きいとされています。それでも太陽の1400倍以上の半径だと考えられています。
地球から約3900光年離れた赤色超巨星で、酸素がとても豊富な星です。酸素は恒星の終わりの段階に近づくと融合する元素の1つで、シリコン、その次に鉄が続きます。
いかがでしたか?
おおいぬ座のシリウスを見つけるだけで、その周辺にある他の星まで探すことができます。
もし、満点の星空が見える場所にいくと、おおいぬ座を見つけられたらも、以下のNGC2360、NGC2362、Messier41といった散開星団も見つけてみてください。