重いものを持ち上げると、腕がプルプルと震えたり、 ジムでのレッグプレス中に足が震えたりするのはなぜでしょうか?
この身体反応を簡単に説明すると、それは「筋肉の疲労」です。
人によっては、この震えを筋肉を限界まで鍛えたサインだと考えるかもしれません。
なぜこのような筋肉の震えが起こるのか、これは正常な反応なのか心配になりますよね。
そこで、ここでは筋肉の震えを理解するために、まず、私たちが運動したりウェイトリフティングをしたりするときに筋肉に何が起こっているのかから見ていきましょう。
震えは筋肉疲労の結果
筋肉は、重い物を持ち上げたり、速く走ったりなど、驚くべき運動を行うことができます。
しかし、体の他の部分と同様に、筋肉も疲れてしまうことがあります。
疲労すると、筋肉は自らに課せられている要求に一生懸命応えようとして震え始めます 。
一般的にこの震えは、筋肉が一生懸命働き、休憩が必要であることを示しているだけなので心配する必要はありません。
筋肉疲労の原因
筋肉疲労は、重い重量物を持ち上げたり、 長時間走ったりするなど、筋肉が特定のタスクを完了するのに十分な力を生成できないときに発生します。
そのような場合、以下のようにエネルギー不足、老廃物の蓄積、電解質のアンバランスなど、いくつかの要因が関わっている可能性があります。
エネルギー不足
筋肉が疲労すると感じる理由の1つに、長時間のトレーニング中のエネルギーレベルの低下によるものがあります。
私たちの筋肉は、アデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれる物質に依存して機能します。
ただし、運動するとATPレベルが低下するため、筋肉はより多くのATPを生成するために他の供給源を探す必要があります。
このプロセスにより、筋肉の収縮能力が低下し、疲労が生じる可能性があるのです。
老廃物の蓄積
筋肉疲労を起こさせる他の要因に、乳酸などの老廃物の蓄積があります。
運動中に激しい筋収縮があると、 体は分解できる量を超えた乳酸を生成してしまい、この乳酸レベルの増加によって、筋肉が適切に収縮する能力が妨げられてしまうのです。
その結果、トレーニングの強度を維持することが難しくなり、筋肉の震えや疲労を生じさせる可能性があります。
電解質のアンバランス
筋肉が適切に機能するためには、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質を適切なバランスで摂取することがとても重要です。
しかしながら、運動中は汗をかくことによって電解質が失われるため、この微妙なバランスが崩れやすくなってしまうのです。
筋肉を動かすための信号は、脊髄からニューロンを介して筋肉に伝わります。
それぞれのニューロンは、単一の筋細胞ではなく、いくつもの筋細胞につながっています。
このとき、1つのニューロンは、それが接続されている筋線維群とあわせて「運動単位(motor unit)」と呼ばれています。
筋肉疲労が起こるとニューロンからの命令が正しく送られなくなり、この運動単位の一部が一時的に機能しなくなります。
すると、連動して働いている残りの運動単位も突発的なギクシャクした動きが生じ、それが震えとして感じられるようになるのです。
筋肉疲労による震えは一般に正常であり、定期的に激しい筋肉の震えを経験する場合、または 震えにめまい、脱力感、呼吸困難などの他の症状が伴うようなことがないなら、心配する必要はありません。
ただし、常に身体の信号に注意を払い、健康について疑問や懸念がある場合は、ためらわずに医療専門家に相談してください。
参照元:muscle fatigue