なぜ、私たちは肌の色が違うのでしょうか。
それは、「メラニン」という色素と太陽の紫外線のせいです。
私たちの肌や瞳、髪の色は、メラニンと呼ばれる色素の量によって異なります。(参照元:実は青い目も黒い目がもつ色素もみんな同じ色だった)
そして、このメラニンの色素量は、環境に存在する紫外線量が関係しています。
以下に、肌の色が違う理由についてみていきましょう。
肌を紫外線から守る「メラニン」量の違い
数百万年前、赤道付近に住んでいた人々は、たくさんの日光を浴びていました。
私たちは、皮膚から太陽光線に含まれる紫外線を吸収して、体内でビタミンDを生成することができます。
しかし、過剰な紫外線は私たちの皮膚細胞にダメージを与えます。
そのため、これらの人々は、過剰な紫外線を遮断して皮膚や瞳を守るために、より多くのメラニンを生成しました。
メラニンとは、紫外線を吸収して肌を守る役割のある黒褐色の色素です。メラニンが多いほど肌の色が黒っぽくなります。瞳の色も、(目の虹彩に含まれる)メラニンがたくさんあるほど黒くなります。
こうして、長い時間をかけて、赤道付近で生活していた人の子孫たちは、メラニンの量が多くなり、肌が黒くなるように適応していったのです。
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日照時間の違いによるメラニン量
しかし、赤道から離れた場所に住む人々は、日照時間が短く、紫外線の量もわずかでした。
そのため、紫外線を十分に吸収し、必要なビタミンDを生成するために、メラニンの量が少なくなるように適応したのです。
よって、太陽光の少ない環境では、肌や瞳、髪の色は、遺伝子の変異によってメラニンの生成量が減り、ビタミンDをより効率的に生成できるように明るい色に進化していったのです。